Aさんへの手紙として2:ChatGPTで会社を作る
ども。地域DXグループのCo-Founder、中の人です。今日は会社作りの内側もオープンにしてきます。地域商社に興味がある人も、ない人もコンサマトリー(喜び・遊び・労働が一体となった)生き方の参考に見ていってください。
(あの連載っぽいやつ「小学生…」の続きがまだなんだけど、という熱心な読者のみなさま、順番が前後して申し訳ございません。)
Aさんへの2通目の手紙として
先日、AさんとWebMTGを行い色々と刺激を頂きました。ありがとうございました。MTGツールで海賊に変装したAさんから様々な疑問を頂きました。また、この数日で他の方からもコメント、メッセージ、WebMTGのお誘いを頂きました。本当に感謝です。
今回頂いた質問はAさんだけでなく、今後、ほとんどの人が抱くクエスチョンだと思いますので現時点でのアンサーを、Aさんへの手紙の2通めとして記載します。
Aさんから、地域DXグループへの問いを極限まで抽象化すると
「儲かるの?」
「何をやるの?」
「体制はどうなってるの?」
という3点になります。
タイトル回収的には
「ChatGPTが全部解決してくれます!」
ってのがキレイですが、それはちょっと無理ですね。はい。
■儲かるの?
儲かりやすいポジショニングを発見しました。
地域商社の市場規模を統計的に扱った資料がなかなか見つかりません。https://www.dbj.jp/topics/region/industry/files/0000030621_file2.pdf
で、しょうがないので総合商社で勘弁してください。市場規模は79兆円、業界4位、5位の会社でも9兆円を超える大きな市場です。
地方創生、まちづくりで如何に稼ぐか。一番、参考にした本は木下斉『稼ぐまちが地方を変える』です。
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私のノリに近いのは面白法人カヤックの代表の柳澤大輔『鎌倉資本主義』ですね。
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あらゆる視座は盲点を持つ
まちづくりの本をたくさん読むと、株式会社でやるべきだ、という主張がけっこう多いです。どうやら株式会社だからこそ見えるニーズ、チャレンジできるゾーンがある、と。私もそう思います。
やはり自治体、自治会、第三セクターでは見えなくなってしまうものがあるようです。見えていてもできないこともあります。もちろん例外的に、自覚的にその壁を突破しようと足掻く人は居ますが。
以前のエントリーで社会学者ニクラス・ルーマンの説を挙げ、各サブシステムは1つのメディアしか記述できない。【経済は貨幣】【政治は権力】…、あらゆる視座は必然的に盲点を持つという、原則を言いました。あれです。
ちょと脇道に見えるかもしれませんが、補助金について。
木下さんの本に、私はすごく共感するのですが、違いとなる分水嶺は補助金をどう捉えるかです。木下さんは他の著書でも「補助金は麻薬、劇薬」と一度使うと廃人になってしまう、ぐらいのトーンで警告を行います。
私は補助金については、積極派です。むしろ問題は志、仕組み化の話かな、と。ちょっとの補助金で満足するような志が低いのが問題で、志高く、どれだけ補助金や支援のお金があってもへこたれない仕組みを作れるかが争点なのだと考えています。
というわけで、地域DXグループは補助金は積極派ですが、各地域での全ての行動は地域の社長と役員が決めるので使いたくなければ使わない経営をすれば良いだけです。私がこれを使え、と無理強いするわけではありません。
補助金だけでなく、そもそも多くの日本人は稼ぐということ、儲けるということ、利益を追求する姿勢に対して誤解がある気がしています。かく言う私もそうでした。
では私が大好きな経営学者、三品和広の著書から引用してみます。この三品先生の本は超超超おすすめです。
もちろん例外はあるでしょう。それでも資本主義をハックする、コンサマトリー(喜び・遊び・労働が一体化した)な生き方をする、と言うのなら市場取引の基本的な挙動をまずは押さえる必要がありそうです。
さて、Aさんからの問いに戻ると「儲かるの?」と聞かれれば、Yesです。
Aさんも地域の近況を紹介してくれるなかで、
「地域に他の場所からある分野のスペシャリストが移住(または長期滞在)になるので盛り上がりそう。これには移住関連の補助金が使われる」
「これが君のいう、誰も損してない、ここにビジネスチャンスがある、
っちゅうやつやな」
と納得されていました。そうです。それ。
■何をやるの?
地域でニーズの高いことを行います。
ニーズの発見は、地域の住民が主体となったループ図作成のワークショップ等で見つけたいと考えています。
あらゆる視座は盲点を持つなら、多様な意見で集合知を目指すのが致命的なヌケモレを防ぐ手段と考えています。
で、どう伝えようかと下書きを書いていたら、思想家の山口周がすごく分かりやすい記事を書かれていました。
山口さんは「正解」が供給過剰になってきたから、「問題発見」のほうが価値が出るよ、と。この点はドラッカーだったら「顧客の創造」というやつですね。しかもChatGPTに質問したりしてネタが被ってしまった…。
■ChatGPTで会社を作る?
で、タイトルにも関連するのですが、ChatGPTに会社の定款の原案を考えてもらいました。これがなかなか優れています。
散々引っ張って、定款かよって思います?でも定款って「会社の憲法」とも呼ばれるものです。それをChatGPTで作って、SNSで公開ってとってもオープンと思いませんか?(強引)
上記の7割はChatGPTが書いてくれました。多くの皆さんが「地域商社」と聞いて想像するのが、項目6についてだと思います。ChatGPTも最初に作ったのが項目6に相当する部分です。項目1から5は私が項目タイトルを箇条書きして再度作成させました。そう考えると、私が指し示す地域DXグループのドメインは一般に言われている「地域商社」とはかなり差異がありそうです。
定款に書く文章としては長すぎる、とか実務上のツッコミはまああるでしょう。
まずは本部の会社を、この定款ベースで設立します。各地域にはこの定款をベースに、地域の社長、役員が行いたいことが他にあれば項目7に入れてもらいます。
■体制はどうなっているの?
社長はどこから来るの?本部からよそ者が来るの?
各地域で社長を探します。社長、役員は年齢、性別、学歴不問です。
社長は副業でゆるく始めてもいいの?
社長、役員は副業、複業でOKです。むしろはじめから専業でお願いするほどの売上高を確保できるケースは稀かなと思います。地域の状況によりますが。
資本構成、株主はどうなるの?
各地域会社の発起人は地域社長、地域DXグループ社長の2名が必須で、役員がいる場合は役員も加えます。地域社長の出資額は50万円が基準になります。登記費用+アルファと捉えてください。この出資額相当は自治体によっては創業支援の補助金などで賄えます。
また、当初から設備投資がいるビジネスを行う場合は、その資金の借り入れ(例えば政策金融公庫から、とか)がスムーズに行けるように支援します。このあたりは相談です。
本部に強制力はあるの?
社長に株を売却した後であっても、グループ会社であるため、ブランディング、コンプライアンス、ガバナンス、セキュリティの問題があれば対処します。基本的な立場として本部は伴走者です。ともに頑張って努力して利益を分かちあいます。グループ会社と言えども法人は別で、業務委託契約を行います。もちろん契約に反したことを行うことは本部、各地域会社ともにできません。
本部は何をしてくれるの?
グループで使うITシステム、請求業務含む経理、営業支援、商品開発、マーケティング媒体作成(チラシ、動画、SNS)、各種専門家手配、本部人材による応援、損保加入等のリスクヘッジです。
各地域会社は何をするの?
各地域の住民を中心にワークショップを開催し、本当に必要なものを発見し、ニーズの高いものを行います。また、本部、他の地域で開発したソリューション、商品も扱います。
例えば、過疎地は鳥獣害の被害が多いとして、罠・柵設置箇所の設備管理システムについてどこかの地域が開発した場合は、それを販売することができます。もちろん、各地域会社同士も基本的には商いがベースで開発したアプリケーションは売買を通じて流通します。
開発元→地域DX本部→販売会社→エンドユーザー
顧客の創造って何?
各地域会社は地域の住民、自治体、第3セクター、地元企業などが何に困っているかのニーズの把握が主な仕事です。ドラッカー流の単語で言えば「顧客の創造」です。
儲けの分配はどうなるの?
目標とする粗利率は30%以上となります。
売上のタイミング(受注ではありません)で、売上に対して下記の利益分配となります。
本部=10%
地域会社社長=10%
地域会社内部留保=数%
暫定粗利=役員、協力者が居た場合、(社長+役員+協力者)の人数で等分
※ここでの粗利は売上高から20%、仕入れ、必要経費を引いたものになります。
売上の管理はどうするの?
売上管理システムを今から作ります。
エリアの重複はどう避けるの?
基礎自治体をベースに法人登記の自治体を営業エリアにします。
まだ近隣に地域DXグループの法人がない場合はエリアを拡大して営業できます。近隣に新たに地域DXグループの法人が設立された場合は、即時営業を中止し、該当法人に営業案件の引き継ぎを行ってもらいます。
フランチャイズとどうちがうの?
フランチャイズは商品、価格、接客など全てが決定されています。またフランチャイズは地域社長の初期投資が莫大です。店舗開発費用、加盟金、保証金など合わせて数千万円必要なビジネスもあります。
地域DXグループは莫大な初期投資が不要、どの商品を売るかは自由、ソリューション開発・商品開発、販売手法開発などが自由です。このような業態はフランチャイズではなくボランタリーチェーンと分類されます。
儲かったら加盟から抜けていいの?みんな辞めちゃうんじゃないの?
できれば長く、地域に貢献してもらいたいと思いますが、地域会社の社長、役員を退任することは自由です。後任、引き継ぎの期間を調整させてください。同じ地域で競合店を作ること、競合の法人で業務を行うことは、業務委託契約で禁止していますのでできません(競業避止義務)。ぜひ、別の地域でまた地域DXグループの法人を設立してください。
また、本部は地域DXグループの各社から継続する価値があると判断されるように努力します。
というわけで、今回、かなりビジネス資料に近づけたと思います。いかがだったでしょうか。
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