『ヒト』の中心には『知』と『感情』がある。令和の『ナレッジ・マネジメント(知の経営)』の体系
『暗黙知』と呼ばれる組織内に眠る知識を表出化させ、『形式知』として共有する『ナレッジ・マネジメント(知の経営)』は、これまで『ナレッジ(知)』とその「担い手」としての『ヒト』との関係で研究が進められてきました。
しかし、『ヒト』という経営資源を考えるにあたって『知』と並んで忘れてはならない重要な要素があります。それが『感情』です。
一橋大学の名誉教授で『ナレッジ・マネジメント(知の経営)』の産みの親として知られる野中郁次郎先生によれば、「伝統的な日本企業では、ベテランの『暗黙知』がそれぞれの職場で次世代に受け継がれていく企業風土や組織文化があり、そうした『暗黙知』の継承が日本企業の「強み」であった」としておられます。
この『企業風土』や『組織文化』に大きな影響を与えている要因のひとつが、『ヒト』という経営資源の持つ『感情』という特徴的な要素です。
本マガジンでは、『知』と『感情』という二つの要素に注目し、『ヒト』という経営資源を中心として、令和の新しい『ナレッジ・マネジメント(知の経営)』を考えたいと思います。