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「税理士」が関与?嘆かわしい持続化給付金や総合支援資金、緊急小口資金等の不正受給。

 「昨年の同じ月と比べると、この月は売上が50%を切っています。持続化給付金の申請ができますよね?」。
 そんな問い合わせをいただいたことがあります。
 しかし、そのうちの何件かは新型コロナウイルス感染症の影響ではなく、単に入金のタイミングのズレによるものでした。そういう打診をされる方の多くは、経営者としてそれなりの知識と経験を有している方が多く、思わず自分の耳を疑ってしまいました。

 持続化給付金や、社会福祉協議会さんの総合支援資金や緊急小口資金等、新型コロナウイルス感染症による生活困窮者向けの制度を悪用し、不正受給している事例が発生しているようです。
 しかも、そのような事案に「税理士」を名乗る輩が関与しているとか。
 もし本当だとすれば、実に嘆かわしいことです。
cf. 「コロナという名目で上手い具合に書類を作ります」 支援制度「悪用」する「自称税理士」の手口(J-CASTニュース)

 もちろん、新型コロナウイルス感染症の影響ではないかもしれませんが、不正受給の美味しい話に乗ってしまう方々にも、それ相応の事情があるのでしょう。一概には非難できないかもしれません。
 しかし、「不正」はどこまで行っても「不正」です。
 限りある予算の中から給付される資金ですから、本当に必要としている方のところに届いてほしい。切にそう願います。

 かつて、こんなことがありました。
 毎年、初詣に参拝させて戴く寺社があるのですが、その年は日程の調整がうまくいかず、七草に近い日の参拝となってしまいました。そのために毎年戴いているお札が皆になっており、頂戴することができませんでした。
 毎年頂戴しているお札がないというのはなんとも不安で、心許ない思いでいたのですが、そんな私を見ていた家内が一言、次のように言ったのです。
 「あのお札は、今年、本当に必要としている人のところに行ったんだよ。あなたには、今年はあのお札は必要がないって保証してもらったんじゃないの?」と。
 眼からウロコの落ちる思いでした。発想の転換とでもいうのでしょうか。大きな衝撃を受けたことを、今でもはっきりと覚えています。

 新型コロナウイルス感染症の影響は深刻で、多くの事業者、たくさんの方々が苦しんでいます。
 そんな時だからこそ、難しいかもしれませんが、お互いを思いやりながら暮らしていきたいものです。
 持続化給付金や総合支援資金、緊急小口資金等の制度を悪用し、不正受給の指南をしている輩が、本物の公認会計士や税理士ではないことを、心から願ってやみません。

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