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フェイスシールドにも飛沫拡散防止効果by警視庁「業務中に飛沫の飛び方実験」
テレビ番組の収録等でよくみられるフェイスシールド。LOWSONでも販売が始まったこともあり、俄然、注目が集まっています。
cf.ローソンでフェイスシールド数量限定発売 鯖江市のメガネフレームメーカーが製造 人間工学に基づく頭部データから設計 安全さと快適さを追求(Yahoo!ニュース)
フェイスシールドは、もともと他者が発した飛沫が自分の顔にかかるのを防ぐために用いられるものであり、自分の発する飛沫が広がるのを防ぐためのものではありません。
むしろ、鼻と口元を覆う上方が開いているマウスガードは、飛沫を上方の開口部から拡散してしまう恐れがあって、感染予防からは逆効果であるとの指摘もあります。
フィリピンでは、公共交通機関を利用するときにマスクに加えてフェイスシールドの着用が義務付けられています。
cf.DOTr IMPLEMENTS MANDATORY USE OF FACE SHIELDS FOR ALL PASSENGERS USING PUBLIC TRANSPORTATION(Department of Transportation - Philippines)
もちろん、幼小児、長時間のマスク着用が難しい健康状態にある方、教育機関で講義を行う方、精神疾患や発達障害等でマスクの着用が困難な方、あるいは聴覚障碍者による読唇の必要性がある場合などは、マスクではなく、フェイスシールドの使用が容認される必要があるでしょう。
マスクとフェイスシールドは機能が違うから両方着けなければならない。
そんな話を耳にすることもあります。
感染者が多くないのに、フェイスシールドや、さらにマスクをつける科学的根拠は、よくわからない、という医師の指摘もあります。
われわれはどうしたらよいのでしょう?
警視庁は、新型コロナウイルス感染症の防止対策をまとめるため、普段の業務中にどれだけ飛沫が飛ぶのかの実験を行いました。
マスクをせずに大声で呼びかけた場合、飛沫が最大で55cm飛ぶところ、メガホンの場合は内側に付着してあまり飛沫が飛ばなかったほか、マスクやフェイスシールドを着用するとほとんど飛沫が飛びませんでした。
(フェイスシールドでの飛沫の飛散距離は15㎝程度だったとのことです。)
cf.業務中に飛沫の飛び方実験 警視庁 ガイドラインとりまとめ(FNNプライムオンライン)
警視庁のこの実験も数ある実験のひとつであって、その結果が総て正しいとは限りませんが、フェイスシールドにもマスク同様に一定の飛沫拡散防止効果があることが分かったことは、大きな発見です。
まだまだ暑い日が続いています。
マスクに加えてフェイスシールドもうまく活用し、また着用する、しないも臨機応変に判断して、熱中症を回避しつつ、新型コロナウイルス感染症の予防も図りたいですね。