withコロナ/afterコロナの時代、不要不急とどう対峙するか
新型コロナウイルス感染症の影響で不要不急という言葉を頻繁に耳にするようになりました。しかしこの不要不急という言葉、実に難しい言葉です。
なんとも分かったような分からない言葉で、現実のに世界に当てはめようとすると余計に訳が分からなくなります。
何よりも、不要という言葉と不急という言葉が合わさってできているために、不要かもしれないが急ぐこと、不急だけれども重要なものをどう扱ってよいのか判断に迷い、現場は混乱しています。
「不要不急の外出を控える」、このことは、新型コロナウイルス感染症の感染を抑えることに大きな効果をもたらせました。今週の感染を抑えた一番の立役者は、日本国民がこぞって「不要不急の外出を控え、自粛したこと」でしょう。
しかしこのことは、同時に経済の停滞をもたらせました。
多くの老舗が姿を消し、伝統の灯が消えようとしています。
私が長年愛してきたお店が何店も閉店し、私の趣味を支える楽器の生産者も廃業の危機を迎えています。
みなさんは、「ようかいけむり」というものをご存じでしょうか?
薬品を塗った指先をくっ着けたり離したりすると、不思議な煙が出てくるおもちゃです。
cf. ようかいけむり(ねとらぼ)
このようかいけむりを製造している小林商店さんがすでにその製造を終了しているとのことで、現在流通している市場在庫を最後に販売が終了します。
cf. 「ようかいけむり」「おばけけむり」製造終了 指につけて煙を出す駄菓子屋の定番、事業継続難しく決断(Yahoo!ニュース)
正直に言って、ようかいけむりがあろうとなかろうと、多くの国民の日常生活に何ら差し障りはありません。語弊があるかもしれませんが、不要不急の最たるものではないでしょうか。
そんな不要不急の商品が、私の子供の頃からあったことを考えると、もう半世紀以上にわたって作られ、売られ続けてきたのです。
「無駄」という言葉を使うとお叱りを受けるかもしれません。
「遊び心」と言うと綺麗過ぎる気もします。
でも、この「無駄」が経済を回し、文化と伝統を育んできたのです。
重要なことは、「急がないけれども重要なこと」、「急がないし重要でもないこと」とにどう取り組むかです。
withコロナ/afterコロナの時代、不要不急な事象とどう対峙するか。
今、このことが問われています。