航空機でのマスク着用拒否~単に「迷惑な人がいる」では済ませられない、withコロナ/afterコロナ時代の大きな課題
9月7日、航空機内で男性がマスク着用を拒否して騒動となり、着陸予定外の空港に臨時着陸してその男性の降機させる事件が起きました。
cf. マスク拒否で国内初の臨時着陸 そもそも「お願い」とは(朝日新聞DIGITAL)
そもそも航空機内でのマスク着用は義務ではなく「要請」。
新型コロナウイルス感染症の流行下における緊急事態宣言の「外出自粛」ではありませんが、日本人はまじめに「要請」も「義務」同様に捉える方が多いようで、なかなか難しい問題をはらんでいます。
今回も、男性がマスクの着用を拒否したがゆえに降機を命じられた訳ではなく、他のお客様と言い争いになったため、機長が男性の行為が航空法73条の「機内の秩序を乱す安全阻害行為」にあたると判断して降機を命じたもののようです。
それでは、この男性が他の乗客と言い争いをせず、ただただ静かにマスクの着用を拒否し続けていたらどうなっていたのでしょう?
他の乗客の方が逆に感情的になり、この男性を声高に非難していたらどうなったのでしょう?
男性は降機を命じられなかったかもしれませんし、他の乗客の方が降機を命じられていたかもしれません。
以前も私のnoteで書きましたが、新型コロナウイルス感染症の感染対策として、「これならば十分」と感じるレベルは人それぞれです。自分にとっては不十分な対応が、他の方にしてみれば過剰な対応と映ることもあるでしょうし、またその逆もあるでしょう。
他人が、自分にとっては不十分としか思えない感染症対策をしていたら、不安に思うでしょうし、腹も立つでしょう。
人それぞれ顔かたちが異なるように、新型コロナウイルス感染症において「これなら十分」と感じる感染症対策のレベルの多様性を、今後、受け入れざるを得なくなるかもしれません。
難しいことですが…。
今回の事件は、単に「迷惑な人がいる」では済ませられない、withコロナ/afterコロナ時代の大きな課題を浮き彫りにしてくれました。またひとつ、われわれは越えなければならない大きな課題に直面しています。
cf. ピーチ機でマスク着用拒否した男性語る「退去は不当」と反論(北海道放送)