COVID-19と戦う知財宣言「COVID対策⽀援宣⾔」
新型コロナウイルス感染症が全世界で蔓延し、経済に大きな影響を与えています。企業活動への影響は甚大であり、我が国においても一刻も早い経済の復興が求められています。そのような状況の中、世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルス感染症蔓延の終結宣言を行う日までの間、新型コロナウイルス感染症の蔓延終結を唯一の目的とした行為について、特許権、実用新案権、意匠権、著作権の権利行使を行わないことを宣言する「知的財産に関する新型コロナウイルス感染症対策支援宣言」の取組が行われています。
取組みが行われる背景は、新型コロナウイルス感染症の蔓延をくい止めるためには、業界の垣根を越えた、治療薬、ワクチン、医療機器、感染防止製品、ソフトウエア等の開発、製造、流通などを、産官学がグローバルに連携し、従来の常識や固定観念にとらわれないスピードで進める必要があります。もし特許権、意匠権、ソフトウエアプログラムの著作権その他の知的財産権が、これらの開発および製造の障害となるのであれば、権利者が保有する知的財産権の権利行使を行わない事を宣言することが、迅速かつ最善の開発および製造を可能とし、また倫理的にも必要であると考えられます。そこで、世界中の知的財産のオーナーに、新型コロナウイルス感染症の蔓延終結を唯一の目的とした行為に対しては、一切の対価や補償を求めることなく、保有する特許権・実用新案権・意匠権・著作権の権利を一定期間行使しない宣言をするよう呼びかける、というのです。
宣言の内容は、概ね次の通りです。
「我々は、新型コロナウイルス感染症の診断、予防、封じ込めおよび治療をはじめとする、新型コロナウイルス感染症のまん延終結を唯一の目的とした行為に対しては、一切の対価や補償を求めることなく、我々が保有する特許権・実用新案権・意匠権・著作権の権利行使を一定期間行なわないことを宣言します。」
本稿を書いている6月4日現在の宣言者数は74社、対象特許数は832,025件。
優れた知財を活用し、新型コロナウイルス感染症の早期終結に向けて一歩でも前進できれば素晴らしいですね。
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