酒類小売業のための免許講座:一般免許の取得から販売可能範囲まで(3)
さて、第3回目を始める前に、前回の投稿をまとめてみましょう。簡単にまとめましたので、大きく省略された部分もあります。詳しくは前回の記事をご覧下さい。
前回のまとめ
「酒類の販売業」とは、酒税法に基づき、【酒類を継続的に販売すること】を指します。営利目的かどうかや、特定の相手に売るかどうかは問われません。たとえ利益を目的としなくても、酒類の販売には免許が必要であり、例えば自社社員にのみ販売する場合でも免許が求められます。
販売場とは、継続的に酒類を販売する場所であり、販売場ごとに免許が必要です。列車や船舶での販売では、その管理営業所を管轄する税務署に申請します。
一方で、酒類製造事業者が自社製品を製造場で販売する場合や、料飲店が店内で飲酒させる場合は免許が不要です。ただし、持ち帰り用に販売する場合には免許が必要です。
さて、これを踏まえたうえで、第3回目を始めたいと思います。
酒類の販売業免許の区分
前にも書きましたが、酒類の販売業免許というのは、お酒を継続的に販売できる免許のことで、具体的には『酒類小売業免許』と『酒類卸売業免許』に分けることができます。
酒類小売業免許お酒を、「消費者」や「料飲店」、「菓子等の製造業者(酒類を菓子、パン、漬物等の製造用の原料として使用する事業者)」に対してお酒を継続的に販売することができる免許のことです。前述のとおり、営利を目的とするか、特定・不特定の相手に販売するかどうかは問いません。
酒類小売業免許の区分
そしてその酒類小売業免許は、次の通り分類されます。
★『一般酒類小売業免許』
★『通信販売酒類小売業免許』
★『特殊酒類小売業免許』
★一般酒類小売業免許
原則として販売場において、すべての品目の酒類を小売することができる酒類小売業免許のことをいいます。街中の「酒屋さん」やスーパー・コンビニのイメージなのでわかりやすいのではないでしょうか。
ただし、一般酒類小売業免許の資格で販売することができる相手先には【消費者】のほか、【飲食店】や【お菓子等の製造業者】も含まれていることから、酒屋さんのように一般消費者に対して販売するだけではなく、飲食店やお菓子等の製造業者に販売するということも可能です。
このように、申請する人がバーやレストランなどの料飲店のみに販売するという事業形態を採用し、一般消費者への店頭小売販売を一切行わないのであれば、酒屋さんのようないわゆる「店舗」は必ずしも必要ありません。ただしその場合でも、申請する事業者としての「販売場」としての住所や所在地の記載は必要です。
ここで言う販売場とは、実際にお酒の販売契約の締結や、販売代金の受領・お酒の引き渡しを継続的に行う場所のことを指します。
最近では、事業者にとってインターネットやSNSを使った情報発信が欠かせない手段となっています。お酒の販売に関しても、ただ単に一般的な情報を提供するだけのホームページであれば問題ありません。しかし、実際の販売を行うページを公開するには、一般的な酒類小売業免許では足りません。足りない、、というのは正しくありませんね。この場合、一般酒類小売業免許ではできません。インターネットを通じてお酒を販売する場合は、「通信販売酒類小売業免許」を取得する必要があるため、注意が必要です。
ただし、この免許が必要となるのは、2つ以上の都道府県にわたって広範囲の消費者を対象とする場合です。もし、販売対象が1つの都道府県内に限定されている場合は通信販売ではなく、一般酒類小売業免許が必要です。
なお、一般酒類小売業免許では原則として「全酒類」を取り扱うことができるため、あらゆる種類のお酒を販売することが可能です。
今回はここまでにしますね。
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