希少性の法則とバンドワゴン効果
AとBの商品があった時に、多くの人がAを選ぶとAが正しく見える。
Aを選ぶ人が多くなると、Bの商品に希少性が生まれる。
Bの希少性が増すとBの価値が上がり、いつの間にかBの方が良い物に見えてしまう。
おやおや?
「希少性の法則」
どこでも手に入る物より、数が少なかったり手に入りにくい物ほど価値が高いと感じてしまう現象。
「バンドワゴン効果」
社会的証明の原理ともいわれ、多数派に同調したり、有利な方に味方してしまう事。バンドワゴンとはパレード等で先頭を走る楽隊車を指し、バンドワゴンが進む方向に、多くの人が同調して進んでいく事から由来する。
面白い事例がいくつもあります。
とある会社が飲料を開発したそうです。
販売する際に、地元のスーパー用のデザインと通販用のデザインの2種類作りました。
飲料は多くの支持を得て全国展開する運びとなりました。
すると、ネット上では地元スーパー用デザインの飲料が倍の価格で取引されるようになったのです。
中身は同じなのに。
その後、地元スーパー用デザインも通常販売するようになったのですが、倍近い価格で売れ続けたそうです。
流通や生産の話は一旦置いて、この事例には気持ち良いぐらい「希少性の法則とバンドワゴン効果」が働いています。
深くは語らないので、是非消費者の立場になって、どんな心理作用があったかを考えてみて下さい。
こんな事例もあります。
A社とB社がとあるスポーツウェアを開発しました。
デザインは違えど、機能性や価格は同等でライバル商品として売り上げを争っていたそうです。
そして、別々のタレントを起用し広告展開を始めました。
(A社もB社も同じ世代の若手女優を起用。)
ある映画がヒットし、A社で起用していたA子さんが連日メディアに取り上げられ、一夜にして国民的人気を得ると。
A社のスポーツウェアは圧倒的支持を得て売上が伸びたそうです。
(合わせてA社はスポーツウェアの価格を下げて大量生産を開始。)
しかし、A子さんの不倫が発覚し、人気は急転直下の大暴落。
するとA社のスポーツウェアも同様に売り上げが落ちてゆき、比較すると割高になっていたはずのB社のスポーツウェアの方が売れる様になりました。
A社はスポーツウェアの開発と販売を終了し、B社はその後もスポーツウェアの開発を続けていきました。
すると今度は販売終了したはずのA社のスポーツウェアが高値で取引されるように...。
当たり前っぽい話ですが、少し考えると不思議じゃないですか。
これが「希少性の法則とバンドワゴン効果」の面白いところです。
皆さんが持つ「感覚」という部分には感情やセンスだけでなく、あらゆる情報から生まれる「心理効果」が働いているケースが多いです。
貴方の身の回りにある「正しい」や「当たり前」は、本当に「正しくて当たり前」なのでしょうか。