いろんなところにあるアキレス腱
前回の記事で、結膜の出血がなくなっていたA子ちゃんたちが再発したこととその理由について書きました。
今回は、再発しやすいことや場所は、そのひとにとってのアキレス腱かもしれないということと、アキレス腱を守る方法についてのお話しです。
◆英雄の弱点
アキレス腱は、ご存じギリシャ神話の英雄アキレウスに由来します。
幼いアキレウスを不死身の体にしようと、母がアキレウスの足首を掴んで川の水に全身を浸したときに、掴んでいた足首の部分だけが水に浸らず、のちに無敵を誇ったアキレウスだけれど、足首に毒矢を受けたことが原因で亡くなったというお話。
毒矢を受けたところがアキレス腱というわけです。
なので、弱点のことをアキレス腱と称するようになりました。
こんな後世まで名を残すなんて、アキレウス、すごい。
◆ひとそれぞれのアキレス腱
結膜の出血が再発した二人のA子ちゃんたちのように、栄養が足りなくなったときに症状がでやすいところは、もともと弱いところ。
つまり、アキレス腱。
そして、ひとによってアキレス腱はいろいろです。
たとえば、
・風邪をひきやすい
・口内炎になりやすい
・手が荒れやすい
・乾癬が再発しやすい
・生理痛がひどくなりやすい
・花粉症が再発する
・太りやすい
・お腹を壊しやすい
など。
あなたには、なにか、出やすい症状はありますか?
症状が出やすいところは、あなたのアキレス腱かもしれません。
それをわかって対策することは大事です。
アキレウスもわかっていれば、足首を保護する靴を履いていたんじゃなかろうか・・・
◆クライアントさんの対策例
あくまで私のクライアントさんたちの例なので、ご参考程度と思っていただきたいのですが、
手が荒れやすいかたは、ビタミンAを補うと手荒れがよくなります。
花粉症の症状が再発するかたは、ビタミンDを補うと症状が激減します。
これを読んで、「じゃあ、Aを摂ろう!」・「Dを摂ればいいんだ!」と思った方がいらっしゃるかと思いますが、それだと片手落ちかも。
あらゆる栄養のベースとなる栄養があって、それが、いつも言っている「たんぱく質」。
図にしてみると、こんな感じです。
まず、たんぱく質がベースにあって、そこにビタミンやミネラルが加わると、ビタミンやミネラルがちゃんと働けます。
そして、たんぱく質とビタミン・ミネラルがベースにあれば、薬の効きが期待できます。
反対に、薬やビタミン・ミネラルを優先して、たんぱく質を後回しにすると、こんな感じになります。
薬も、ビタミン・ミネラルも、しっかり働けません。
たんぱく質ありき、なのです。
さきほど例を挙げた、ビタミンAを補うと手荒れがよくなるかたも、ビタミンDを補うと花粉症の症状が激減するかたも、
例外なく、たんぱく質を、ふだんから食事と栄養療法用のプロテインでしっかり摂っています。
たんぱく質がそこそこないと、いくらビタミンAやDを補ってもそんなに変化がない可能性大。
◆栄養対策もひとそれぞれ
誰にでも、アキレス腱、つまり弱点はあって、場所や内容は人それぞれ。
それは、一人一人の遺伝子に関係あるんだろうなと思います。
なので、ある程度しかたのないことではあるけど、その弱点をサポートできるのが栄養のすごいところ。
どんな栄養がサポートしてくれるかも人それぞれで、手荒れがビタミンAを補うことでよくなるひともいれば、別の栄養素でよくなるひともいます。
花粉症がビタミンDを補うことでよくなるひともいれば、ビタミンAを補ったらようやく症状がすっきりとなくなったというひともいました。
また、補う量もひとそれぞれ。
なので、〇〇を摂れば〇〇がよくなる、とは言い切れません。
ただ、症状がでたら、「栄養が足りてないかも?」と思ってみてね。
◆春は要注意
こちらの記事にもあるように、
アキレス腱が特に弱くなるのが、ストレスがある時。
ストレスは、自分にとって良くないことでかかることはもちろん、自分にとって嬉しいことでもかかります。
それは、体にとっては「変化」がストレスだから。
春は、冬から春という季節の変化に加えて、社会的にもいろんな変化があります。
新学期が始まったり、仕事の異動があったり、自分自身ではなく家族に変化があったり、何気にストレスが大きい時期です。
そういうときこそ、あらかじめしっかり栄養を摂っておくことが、アキレス腱を守ることにつながります。
◆栄養ではカバーできないこと
そして、栄養では代わりになれないこともあります。
それは、睡眠。
睡眠の代わりができる栄養はありません。
しっかり寝ること、質の良い睡眠を取ることは、栄養をしっかり摂ることと同様にマストです。
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