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ポーランドの最も優れた都心再生空間
case | 事例
ポーランドのウッチ市にある「自由広場」は2024年のポーランド都市計画協会のコンペティションで最優秀公共空間賞を受賞した。広場は新しい機能的なレイアウトと中央部の緑化が施されるなど、地元ポーランドのA2P2建築計画とmamArchitekciの建築家によって再開発が進められた広場である。再開発前は、広場はトラムの軌道や道路が交差し、主に交通手段として利用されていたが、コンクリートの地表と緑化の程度が低かったことにより、特に暑い日には居心地の悪い場所だった。
再開発は2024年春に完了し、広場は住民や観光客にとって親しみやすい場所に変貌した。広場には64本の大きな樹木、数千本の低木、草花が植えられ、雨水を緑地に導く設計が施されている。この設計により、人手で樹木の水やりをする必要性が減り、雨水が下水道に流れ込むことを防いでいる。多様な植栽は生物多様性を高め、鳥や昆虫の食料源にもなっている。また、ウッチ市の600周年を記念する600枚のプレートからなる「ウッチの人々への大記念碑」も新たな観光名所となっている。
コンペティションの審査員は、自由広場の変革がウッチ市民の生活に与える影響を評価し、魅力的で快適かつ安全な空間を提供したことを理由に賞を授与した。広場の再開発は、ウッチ市中心部の再活性化プログラムの一環として実施されたものだ。広場のコンクリート地表が緑地に置き換えられ、雨水保持の構造が整備されただけでなく、広場は再び市の建築的ランドマークとしての地位を取り戻し、住民や観光客にとって魅力的な場所に生まれ変わった。
insight | 知見
ウッチという都市を知りませんでした。というより、ポーランドの都市はワルシャワしか知りませんでした。ウッチ(Łódź)は人口約70万人のポーランド最大の工業都市で繊維工業の中心地だそうです。ウッチの他、クラクフ(Kraków)、ヴロツワフ(Wrocław)、ポズナン(Poznań)といった人口50~70万人の都市がポーランドには複数あることを知りました。
都市の公共空間を良くしていく、ということは、市民サービス向上の側面以外に、この記事のような形で世界に発信するPRの機会にもなるのではないでしょうか。