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耳を澄ますと見えてくる!
「バッハとベートーヴェン、どちらが先に活躍したでしょうか?」
子供に聞かれても答えられなかった音楽教養に乏しい僕ですが(笑)、「クラシック音楽は、音を聴いて風景や情景を自由に想像してその世界を楽しむものだ」という考え方を知り音楽に対しての考え方が少し変わりました。
今回は、そんな考え方にもつながる‘音と庭‘の関係について。
‘音と庭‘と言えば日本庭園のなかで「カコン」と鳴り響く、「ししおどし」をイメージされる方も多いと思います。
静寂の中で点を打ったかのように心地よく響く音はとても心地よいですよね。
「ししおどし」は、先端を斜めにそいだ竹筒に水をゆっくり流し入れ、水の重みによって竹筒の頭を下げ、水を吐き出すときに元に戻ろうとする力で石をたたく仕組みになっています。
なので、一定期間の静寂を音と音の間に挟みます。
静寂とは喧騒によって際立つので、「ししおどし」は静寂を聴く装置とも考えられているのです。
「カコン」という音の残響をたどっていくと、今まで聞こえなかった音が鳴りだして、耳は自分を取り囲む自然と繋がります。
鳥のさえずり、水のせせらぎ、蜜蜂の音、庭木に手を入れる鋏の音、葉をこすれ合わせる風の音、葉っぱの上でぽつぽつと音を立てて降り出した雨の音、遠くの方で低く鳴っている雷、子供の名前を呼ぶお母さんの声・・・
音によって目に見えない周囲の風景や、音の一つ一つの先にある命の営みが見えてきます。
道端に咲いている花を見つけてうれしくなるように、音によって見えなかった風景が見えるようになるのもうれしい。
音の経験が多ければ多いほど、きっと音楽の聴き方も変わってくるんじゃないかと思うんですよね。
お庭に出ていろんな音に耳を傾てけみることも音を楽しむという根源的な音楽の勉強ではないでしょうか?
うん、これなら、僕も子供たちと一緒に音楽を学べそうです(笑)
*「にらめっこ」 2017年 5月6月号 掲載 に加筆修正