アドベント|内側の灯火に向かって歩き、また戻ってこよう
昨日はシュタイナーの絵の教室。本当に久々に、筆を取りました。
ここ最近天気が良くて出ずっぱりで家を空けていたし、家にいても最近始めたデジタルのお絵かきに夢中だったりで、こうしてアナログで絵を描く時間をなかなか持てなかったけれど。
やっぱり私にとって必要な時間なんだなと実感しました。
色と水の思い通りにならなさと偶然性の波に癒される。
柿を描きました。柿ってなんだか男っぽい果物という感じがして、描きながら色々なインスピレーションが湧いてきます。
家に帰ってみた夫が「なんか冥界の食べ物みたいだね」と。確かに(笑)。ザクロの男バージョンみたいな感じでしょうか。
先生が黒板に描いて工程を説明してくれます。家で復習するのなら全体の姿を描くのもいいね、と木の姿を描くときのこともアドバイスしていただきました。また描いてみよう。
後半はフォルメン。この日は描く前にお外へ出て、アドベントガーデンの渦の中を歩きました。アドベントガーデンはモミの木で作った渦巻きの中をリンゴろうそくを持って内側に入っていき、真ん中にある蝋燭の火をもらってまた渦の外側へ歩いていく、というシュタイナーのクリスマス行事のようです。
それをアレンジして先生が箒を使い庭の落ち葉で作ってくれました。綺麗。
渦の中へは一人ずつ入ります。
真ん中には小さなカゴが置かれていて、真ん中へついたらカゴの中のものと交換してくるように、と入って行く時にお手玉を渡されます。カゴの中にはプレゼントが用意されていました。
私は内側に入る時は懐かしい家に帰るような安心感がありましたが、プレゼントを手にして外に出るときはなんだか切ないような、心もとないような感覚を覚えました。
一緒に参加していた方は逆で、内側に入る時は不安だったけれど、外へ出る時はすごく安心した、と私とはまったく違う感想を持っていてとても面白かった。
渦の真ん中に入る時は、自分の内面の神聖な世界に入る感覚。そこで灯した火を外の世界へ持ち帰る、という意味がアドベントにはあるようです。私は仏教の「自灯明・法灯明」を思い出しました。
プレゼントを開けるのを楽しみに家の中へ戻り、いよいよフォルメンを描きます。
紫色のブロッククレヨンで外側から内側へ渦を描いていき、今度は黄色のクレヨンで内側から外側へ出て行きます。何度もなぞると、内側に入る感覚と外側へ出ていく感覚の落差が解消されていくようで気持ちよかった。
フォルメンは描く整体だなぁ。
今度は内側から出て、外側へ出た時にまた違う渦の内側へと移行していく形を描く。季節の話にもなって、左側がこれから迎える冬至だとすると、右側は夏至であると考えられる。こうして季節は巡っていく。
そしてこうして絵を描く時間はやっぱり私には必要不可欠なものだ。
絵を描くことは、自分の内側の灯火に向かって歩いていくことそのものだから。
最後は楽しみにしていたプレゼントの包みを開けると、可愛らしい木のバターナイフが。ちょっと早いクリスマスプレゼント。とても軽くて、鼻に近づけるとほんのり木のいい香りがした。
次回の教室はいよいよクリスマスについて。すごく楽しみです。
いきなりクリスマスを迎えるのでなく、ちょっとずつクリスマスに近づいていく感じが気持ち良い。