081. 吾輩はお子である第九話「逆子の赤子を説得するその2」
気づくと吾輩は体という不思議な衣をまとい、
水の中をぷかぷかと漂っていた。
この体という衣が実に面白い。
あまりにも面白く、夢中で転げ回って遊んでいたところ、
どうやら吾輩は天地逆転をしてしまったらしい。
それに悩んだ母は、吾輩に元に戻れと説得を試みてきたのである。
*
妊娠後期、猛烈に料理にハマっていた。
田舎に住んでいたということもあり、ご近所さんに大量に野菜をもらうので(大根5本とか)夜な夜なキッチンに立っては大量に何かつくっていた。
そんな光景に、夫はいささか心配そうな眼差しを送っていたのだが、
そんなある夜———。
いいなと思ったら応援しよう!
生きていく場、暮らしの場、すべてがアトリエになりますように。いただいたサポートはアトリエ運営費として大事に活用させていただきます!