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雪解け水の香りを聞く|音声配信

陽気ようき地上ちじょうはっし、雪氷せっぴょうとけて雨水うすいとなればなり
-暦便覧こよみべんらん-


先日の2月15日に北陸地方で、全国ではじめての春一番が吹いたと発表がありましたね。

ここから冬風と春風の攻防は激しさを増して上空や海上のお天気は荒れます。しかし、だんだんと大気は柔らかくほぐれてゆき、足元では福寿草やすみれなど背の低い春の花々が冷たい大地を突き破り顔を見せてくれます。

わたしはこの時期の草花が好きです。
その可憐さの中にそこはかとなく漂ってくる強さに魅かれてしまうのです。

春の真ん中に咲く桜のようなパッと目を引く絢爛さはないけれど、その背後からほんのりと香ってくる深さや強さは思わず足を止めさせる何とも言えない魅力を持っています。

雨水の時期は、本格的な春らしさがやってくる前のほのかな感覚を楽しめるときです。周辺に漂うその兆しに心を寄せると、内側がどんどん満たされていくのを感じられます。

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