クリスマスイヴに作った蝋燭に火を灯す
新しい春を祝う立春。この時期、日本では豆をまき鬼をはらいますが、アイルランドやケルト文化圏ではキャンドルに火を灯して厳しい冬の邪をはらい、眠っていた精霊たちを起すお祭りがあるのだそうです。
あ、そうだ。
そんなことを考えていたら、クリスマスイヴに作ったミツロウの蝋燭を思い出したのでした。
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2020年12月24日。
まだまだ冬の序の口で、春が来ることなんて想像できなかった頃。
森の中で子どもたちと一緒に作った蝋燭。
絵本を読みながら
ミツロウがゆっくり溶けるのを待つ時間
S字フックにつけた糸に溶かしたミツロウをひたす
ピッと伸ばして
吊るして
またひたして
時々、遊んで
というのを繰り返して、少しずつ太くなっていった蝋燭
時々ちょきんとお尻を切って
整えて、そして出来上がった蝋燭を
そっとやさしく紙に包んで
そうだ。この日、私たちは海へ出かけたんだった。
(素敵な写真は、Yさんより)
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年が明けて2021年。2月8日。
仕事で船に乗り、海に出かける友人が朝、小さな箱を届けてくれた。
和蝋燭の手作りセットだった。
そうだ、今日がきっとあの蝋燭を灯す日なんだと思って、アトリエにしまってあった蝋燭を取り出して、火をつける。
小さな炎のゆらぎを見つめていたら、ほのかにミツロウの香りがしてきて
クリスマスと立春がつながった。
春が来たんだ。
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