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『十牛図のワーク・第七図』ビジョンサンクチュアリをつくろう|裏の畑Body work部
月に一度のシュタイナーの絵の教室「裏の畑」。わたしは後半のBody work部で『十牛図のワーク』を担当しています。前半の美術部の様子はこちら↓
1月17日。
冬の土用に入ったこの日。冬のエネルギーをまとめ、不必要に溜め込んだものをはらい、春を迎える準備に入る、そのはじまりの第一日でした。そんな冬の土用期間は、外にエネルギーが開かれていく立春の前に、今一度自分の内側にもぐってビジョンや計画を練り上げていくのにぴったり。
この日は十牛図第七図とも絡めて、まさにこの時期にぴったりな「ビジョンサンクチュアリをつくる」というワークをしてみました。ビジョンサンクチュアリをつくることについては、パクスルーナの高橋ともえさんの「聖十二夜のワーク」から着想を得て毎年実践しています。
ビジョンサンクチュアリとは、ビジョンを視覚化した箱庭のようなものです。サンクチュアリとは聖域を意味します。余談ですが、サンクチュアリというと、映画「西の魔女が死んだ」を思い出します。おばあちゃんは、生き方を通じて孫にサンクチュアリの作ることを教えていたと思うのですよね。
さて、今回の十牛図の第七図のワークでは、四大元素(地・水・火・風)に当てはまるモノやコトを並べてサンクチュアリを作るというのをやってみたのでした。
裏の畑メンバーで第六図まで取り組んできた十牛図では、見失ってしまった牛を探し、出会い、格闘し、そして和解し、お互いに強調して「家」というビジョンに向かって歩んでいくというプロセスまでをワークしてきました。
第七図とは、探して求めていたビジョン(家)にたどり着き、夢が叶っている状態です。この位置は、世間で言われるところの「成功者」を意味し、多くの自己啓発本や成功哲学のゴールはここに設定されていると思います。しかし、十牛図という禅画の面白いところは、ここから先、この家(成功)を一度捨てて、さらに旅に出るというところです。
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第七図を見ると、家(ビジョンや夢・成功)の外に出て、遠くの山にのぼった月を拝んでいます。そして、あんなに探し求めともに歩んできた牛の姿が見当たりません。牛は牛舎に入れたまま忘れ去られてしまった、牧人に統合されたなど様々な説がありますが、ともかく、この絵で表しているのは牛や家のことを忘れ、牧人がもっと大きな旅、霊性や精神世界への探究に心が惹かれていることです。
今日のワーク、ビジョンサンクチュアリの話に戻りますと、ここでサンクチュアリをつくるという意味は、この地上・社会で実現したいものを結晶化するということです。一度こういうものを作ってみるとわかるのですが、選ぶプロセス中に様々なことに気がつきます。
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自分は火が強くて水の元気がないな、とか、風が何だかものすごく強いぞ、とか。自分は火の要素がなかなか思い浮かばないな、とか。
ひとつひとつの元素や要素に近づいたり、俯瞰して全体を見渡してみたりしながら、手を動かしていくと、段々に本当に自分らしいサンクチュアリが出来上がっていく。この時、ちょっとずつ紡がれていく「確信」が第八図以降の旅のエネルギーになっていくと思います。
ここではシェアしませんが、みなさん、本当に素晴らしいサンクチュアリを作ってくださいました。次回は第八図です。
写真提供:寺子屋てらこのゆかりさん。
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