ジェネシス1978年、あのMirrors Tourの高画質動画がついに...
この3つの動画は、1978年8月28日、オーストリアはウイーンのStadthalleというホールで行われたライブのものです。
1978年のジェネシスのツアーというのは、Mirrors Tourとファンの間では呼ばれたもので、ステージ上に畳2畳分ほどもある巨大な鏡を6枚もつるして、これをモーターで動かすことで様々な光の視覚効果を作り出すという試みだったわけです。もちろん、バリライトが実用化するずっと前の時代です。この頃に、こんなことをやったバンドは他に無かったわけです。
ところがどういうわけか、これまでこの1978年のツアーは、オフィシャルの映像記録が全くリリースされていなかったのですね。公式リリースはなくても、1980年のDukeツアーなどは、案外動画は見ることができるのですが、本当に1978年のツアー動画というのは、オーディエンスが客席で隠し撮りした8mmか16mmソースの、ボケボケのものばっかりだったわけです。
そこに出てきたのがこれなんですよね。まずは、じっくりと鑑賞してください。ホントにレアな高画質動画なのです。(よく見ると、最新の動画は4か月ほど前、古いのは2年くらい前に公開されてまして、まあわたしが気づいてなかったというだけなんですが、それでもこれが3本揃うとやはり圧巻なのです)
オリジナルソースは16mmフィルムとのことですが、動画を見ると分かるように、ステージ袖からのアップショットがありますので、間違いなくスタッフによる動画なんですよね。もともと、プロショットが存在しないといわれていた、1978年のツアーでも、こういうのがやはりあったのですね。それが、見事なレストアで高画質な動画として生まれ変わっています。
これまでも何度か書きましたが、わたしの人生で最大のがっかり体験こそ、1978年のジェネシス初来日公演にこの鏡が無かったことだったのですね。その後、苦節40年以上、何とかこのときの「鏡あり」のステージ映像を動画で見たいと願っていたわけなのですが、それがついに現実となったわけなんです。
こういうのが今頃出てくるわけですから、この後もまだもうちょっと期待できるかもしれません。ちなみにこのHD化の作業をしたのは、The Genesis Museumというサイトを運営するマニアの皆さんでして、かれらはHPで、こういうオーディエンス動画とかを持ってたら提供してくれと呼びかけてますね。最近は、AIによる動画レストアの品質向上が著しいようですし、これからも期待しましょう。
ちなみに、ジェネシスはこのツアーのあと、1980年にDukeツアーを実施するのですが、このときの照明に鏡はなく、ちょっと以前の照明に戻ったような感じのツアーを行っています。これは、実は1978年のワールドツアーは、北米とヨーロッパを中心としつつそれまで行かなかった国も行く(だからこのとき日本にも来た)というちょっと攻めたツアーだったのですね。その結果、イギリスでは1回(Knebworthでの屋外コンサート)だけしか演奏してないんですね。これが本国のファンに批判されて、80年のDukeツアーでは、今度はイギリス国内の、すでにジェネシスが演奏するには小さすぎるくらいの会場で42公演ものライブを行ったのです。そのため、このときの照明はすこしスケールダウンしたというのが実情のようです。そして81〜82年のABACABツアーで、ついに世界初のムービングライト、バリライトが登場するわけですね。
参考
追記(2024/06/09)
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