見出し画像

大学生のときに聴いた洋楽②:1979年

 あまり特筆する大ニュースがなかった78年に比べて、この年は世界的に大きなニュースがいくつかありました。でも、国内は相変わらず平和な年だったのだと思います。

1979年(昭和54年)の出来事

  • 1月 アメリカが中華民国と国交を断絶し中華人民共和国と国交樹立

  • 1月 江川卓が阪神と入団契約後、その日に巨人にトレード(空白の1日)

  • 2月 イラン革命

  • 3月 アメリカ・スリーマイル島原子力発電所事故

  • 5月 イギリス・サッチャー首相誕生

  • 7月 ソニー初代ウォークマン発売

  • 10月 韓国朴大統領暗殺

  • 12月 韓国で軍事クーデタ 全斗煥が実権掌握

  • 12月 ソ連がアフガニスタンに侵攻


1979年の洋楽ヒットソング

My Sharona / The Knack

出ました(笑) 一発屋といえば必ずや出てくるこの曲。とにかくワールドワイドな一発屋として今も名を残す彼らのこの曲はこの年だったのです。でも、やっぱりいい曲なんですよね。前年に続くディスコミュージックの世界的ブームの中でも、まあこういう曲もまだヒットしていたのでした。

Honesty / Billy Joel

この人も、ディスコミュージックに一切なびくことなく、ヒットを続けてました。ちょうどこの頃エルトン・ジョンが活動休止していて、唯一のピアノマンという感じだったでしょうか。

Breakfast In America / Supertrump

イギリス人の彼らは、74年か75年ころに、プログレっぽい文脈で紹介されていて、その頃ちょっと聴いた覚えがあるんです。でも、この年になっていきなりこういうポップスでヒットするとは思ってもいませんでした。

Video Killed the Radio Star(邦題:ラジオ・スターの悲劇) / The Buggles

この曲は日本でも大ヒットしましたね。Wikiを見ると、ニューウェーブとしてカテゴライズされているんですが、わたしは全く彼らをニューウェーブと意識した覚えないんですよね…。まあ一発屋のポップスというのが当時の認識なんですが、彼らがこの後イエスと組むことになるとは、さすがに誰も想像してなかったですね。ただ、MTVの放送が始まるか始まらないかくらいのこの時期に、こういうテーマの歌を歌う先見性のある人たちだったんだと思います。

Tragedy(邦題:哀愁のトラジディ) / Beegees

前年からのビージーズフィーバーもまだ続いています。Too Much Heaven もこの年のヒットなんですが、この曲なんかはあまりディスコっぽくなくて、以前のビージーズのイメージだったと思うのですが、まあ勢いってやつですかね。

Y.M.C.A / Village People

売れましたねえこれも。In The Navyがヒットしたのもこの年でして、ここから結構活躍しました。西城秀樹のカバーも大ヒットしましたね。今思うと、「マッチョ」という言葉が日本で一般的に浸透したのは、彼らの功績ではないかと思います(笑)そのものズバリ、Macho Man なんてのも歌ってましたからね。

Summer Night City / ABBA

ABBAが一番ディスコっぽかったのがこの頃ですね。Voulez−Vousもこの年のヒットです。

Heart Of Glass / Blondie

ブロンディが有名になったのはこの曲ですが、やっぱりディスコビートできっかけを掴んだのですよね。ただ、彼女はディスコばっかりではなく、かなり広い音楽性があり、いろいろ新しいことをやりながらこの後売れ続けるんですよね。

September / Earth, Wind & Fire

I Will Survive(邦題:恋のサバイバル) / Gloria Gaynor

I Was Made For Dancin'(邦題:ダンスに夢中) / Leif Garrett

Le Freak(邦題:おしゃれフリーク) / Chic

Dschinghis Khan(邦題:ジンギスカン)/ Dschinghis Khan

Hot Stuff / Donna Summer

Rasputin(邦題:怪僧ラスプーチン) / Boney M.

 ということで、世界的なディスコブームは確実に日本も席巻してました。ディスコビードのオンパレードですね。

 でも、わたしはあまりこういうディスコビートは好きな方ではなく、積極的に聴いた覚えはまったくないのですが、それでもこれらの曲を全部聞いた覚えがあるというか、それ以上に「よく聴いたな」という印象が残っているということは、それだけあちこちで流れていたということだと思うんですよね。この年、まだテレビで小林克也のベスト・ヒット・USA は始まっていないので、やっぱりラジオ中心にこういう曲が耳に入っていたのだと思うのです。

 そんな中で今聴き直して、いちばん「あれ?」っと思ったのはこの曲でした。

Pop Muzik(邦題:ポップ・ミューヂック) / M

この曲は、ディスコミュージックというよりは、テクノポップ風で、こういうのがニューウェーブと呼ばれて80年代につながっていくのかな…という曲ですね。Muzikとはドイツ語かと思ったら、ドイツ語ではMusikだそうで、イギリスのバンドなんだそうです。なんかへんな言葉遊びみたいで、それを受けた邦題なのですね。

 この人達も、まあいわゆる一発屋ですが、今聴くと、いよいよ80年代に入っていく、「前触れ」みたいな曲に感じたんです、これ。こんな感じで、ディスコビートばっかりの中に、また何か新しいものがだんだんと出てきつつ80年代に突入していくということなのでしょうね。

 一方この年の邦楽で一番売れたのは、渥美二郎の「夢追い酒」。久しぶりの演歌でした。これだけでなく、小林幸子の「思い出酒」、千昌夫の「北国の春」、牧村三枝子の「みちづれ」という、ベスト10のうち4曲が演歌系という、久々の演歌の当たり年でもあったのです。(ジュディ・オングの「魅せられて」も入れると5曲がロック・ニューミュージック系以外なんです)だいぶ演歌、歌謡曲系のヒットが少なくなったといっても、いい曲があれば、まだまだファンがレコード買っていた時代なのですね。他は、前年までのピンク・レディの爆発的人気ははかなり沈静化して、ゴダイゴ、アリス、西城秀樹(YMCAのカバー)、サザンオールスターズ(いとしのエリーが大ヒット)、甲斐バンド、円広志、松山千春、ツイスト、沢田研二あたりの活躍が目立っていた年で、やはりニューミュージック、ロック系の存在感がだんだんと増してきて、定着してきているんですね。YMOの2ndアルバム、ソリッド・ステイト・サヴァイヴァーがリリースされたのもこの年でした。


Apple Music Playlist


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?