お菓子作りをしたいかも
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先月のこと。バレンタインデーに、母がチョコレートケーキを作ってくれた。父弟に便乗して、わたしもチョコレートをもらえるというしくみである。当然のように、わたしの分もあると思っている。ああ、おいしかったなあ。
母は、今でこそ、母の言葉を借りるならば、鬼のように仕事をしているけれど、主婦であった期間も長い。
(家の中か外か、働く場所が変わっただけで、主婦だったときももちろん鬼のように働いていた。わたしが働かないからいけないのだけれど、母は、見ているともう心配になるくらい、働いていないときがないくらいに、気がつけば働いている。)
家には、母が集めた「家の本」がたくさんあって、料理の本もその一つ。お菓子の本もある。母がチョコレートケーキを作ってくれていたそのとき、キッチンにお菓子の本(モモカフェスウィーツ: お菓子のレシピ38 金子純子他1名)が開いて置いてあった。
わたしはなんとはなしに、本をぱらぱらめくってみた。おいしそうなものがたくさんのっている。最近ちょっと食べ過ぎぎみな気もするのだけれど、食欲が湧いてしまうのだからしかたがない。働きはじめる前は、食よりも読書、という感じだったのに、ゆっくりと腰をすえて読める時間がほとんどなくなってしまったせいだろうか。食の楽しみに目覚め始めた今日このごろ。パイナップルのケーキ? パイナップルが好きなわたしは、パイナップル、というそのワードだけで食いついてしまう。
そして、カトルカール。カトルカールの作り方がのっている! 見つけたとき、わたしはちょっと感動してしまった。お菓子のことを少しでも知っている人なら、カトルカールで感動なんてしないかもしれない。それからというものなにかとカトルカールのことばかり考えていたわたしは、仕事の休み時間に調べてみた。そうしたら、カトルカールというのは、パウンドケーキのことで、二つは同じものなんだと。
パウンドケーキなら、わたしも知っている。パウンドというのは1poundの意味で、パウンドケーキというのは、バター、砂糖、卵、小麦粉をそれぞれ1pound(100g)ずつ使ったお菓子という意味だというのは、そのとき始めて知ったような気もするのだけれど……。聞いたことはあったかもしれないが、すっかり忘れていた。
ちなみに、カトルカールというのは、 1/4(カール)が4(カトル)集まった、という意味で、つまり、バター、砂糖、卵、小麦粉の4つの材料を、それぞれ同量ずつ使ったお菓子、ということらしい。パウンドケーキとのちがいは、単に、英語かフランス語か、というだけだった。
カトルカールという名前を認識したのは、つい最近のことである。この前の1月、久しぶりに東京へ行った。
(久しぶりでもその空気感が妙に体に馴染むのは、元々自分の育った場所だからだろうか。ちなみに今は、ちょっと外へ出ればロードバイク漕ぎ放題、な半田舎のようなところに住んでいる。)
そのときに食べたPAULのカトルカールがおいしくて。あのしっとりした感じと、バターと卵の風味。気に入ったので、お土産に家族全員分を買って帰った。今更ながら、カトルカールという名前を覚えたときのことである。
もちろんそのときは、まだカトルカール=パウンドケーキのことだとは知らない。かわいい名前だと思ったのと、袋の裏に貼ってあったシールの原材料を見て、すごくシンプルなものでできているのだなと思ったくらいだ。でも、そうか、パウンドケーキのことなんだと知ってなんだか納得。だってパウンドケーキなら好きだから。
わたしを含め家族は、カフェなどおいしいお店をめぐるのが好きなのだけれど、最近、値段に見合うだけのおいしいところに出会えることが少なくて、お菓子に関しても、もうお店めぐりよりお菓子作りかもね、なんて会話を冗談まじりに、半ば本気に、していたところだった。
そうでなくとも、料理やお菓子作りを覚えたいとは、心のどこかでかねがね思っていた。ここ数週間、いや、ここ数ヶ月、実際お菓子作りはするつもりでいた。思い出しては、何を作ろうかな、とは考えていた。(しかし、本気で作るつもりがあるのか、自分でも分からないくらい、考えの進まないわたしのことである。)
姉は、同じPAULでカヌレを食べたときから、そう、わたしがカトルカールに出会ったとき、その場には姉も(そして母も)いたのだけれど、カヌレをすっかり気に入っていて、カヌレを作りたい、といっている。
そんなところへ、本で見つけたカトルカールである。材料もシンプルで集めやすそうだし、工程も少なくて、気軽にできそう。その後、ネットでも作り方を調べてみた。そんなに甘くはないかもな、とは思った。だけど、最初から一人でやるつもりはない。ごりごりに、母の手は借りるつもりである。わたしは、すっかりカトルカールを作る気になった。すっかり、その気になった、たぶん。
お菓子作りをしてみたいかも。ここ数ヶ月蓄えていた気持ちも、イメージが固まってきたからか、作るものが決まってからはとくに、つのってきていた。お菓子作りなんて、ほとんどやったことがない。小学生のとき、料理クラブに入っていて、フルーツ大福だとか何だとかを作った覚えはあるけれど、それから思い出せるのは、高校生2年生のとき、仲良しの友だち用にバレンタインに作ったガトーショコラ。あのときも、相当母に手助けしてもらったっけ。なかなかにおいしくできた。とにかく経験値はほぼゼロに等しいけれど、新しいことにチャレンジしてみるのも、ありかもな。
そしてつい昨日、とうとうたどり着いた。バターを買うところまで。材料はそろった。作るのは、来週か、再来週か……。進みはだいぶ遅いかもしれないけれど、やり始める前のこういう時間も、またいいんだよなあ。
……
これは余談なのだけれど、(ほんとうはこちらをメインに書くつもりだった)、カトルカールを見つけたその本にのっていたエッセイがとてもすてきで、そのときの感動というか、印象というか、それが心を離れない。日々ちゃんと感じ、考えられる生き方をしたいなあと。改めて思い出させられた。最近はそういう気持ちを忘れがちだったから、とくに胸に響いてしまった。そのエッセイの、真面目で真摯で、同時に怠慢で、でもその怠慢も、真剣に向き合っているからこその怠慢というか、その感じもまたなんともよかった。
そしてもう一つ思ったのは、自分もこういう文章を書きたい、ということ。こういうエッセイ書きたい……。(書けるような生活をしているかといわれるとちょっと言葉につまってしまうけれど……。)
noteに何を書くつもりかについて、まだ書いていなかったのでこの際に少し。内容は、思うままに気ままに。日々の平凡な日常をテーマに、思ったこと感じたことだとか、そんなところを考えている。あとは趣味の話もかなあ。とにかく色んな文章を書いてみたいので、内容にも、常体敬体にもあまりこだわらず、書いていければいいかなと思っている。
頻度は、最低でも月一を目指したい。目指したいは目指したい……。
最後まで読んでくれてありがとう。それでは、また。