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NHK 100分de筒井康隆
お正月に見逃した特番の「100分de名著 100分de筒井康隆」。再放送がされていたので、念願叶って、100分観ました。
私は児童期を除けば、SF小説に手を付けたことがあまりありません。読んだことがあるのは新井素子さんの『あなたにここにいて欲しい』くらい。祖父母宅には伯母の趣味が色濃く反映された本が並んでおり、私はそれを読み耽っていました。ファンタジーやSFが好きだったらしい伯母の本棚には、新井素子さんの本が並んでいたのでした。一番心惹かれたのは『結婚物語』シリーズでしたが。
出演者の池澤春菜さん、お綺麗で声も素晴らしく、ひと番組見通したらファンになりました。話の緻密さ、女性ならではの視点、すべてが魅力的に見えて、すぐに経歴を調べました。想像していたより重厚なキャリアを持っている方で少々委縮した後、Xを覗いてみたところ日常があって即フォローしました。憧れの部分に強く突き刺さりました。私も(池澤さんほどでは勿論ありませんが)本を読むのですが、SFは読まないので、勉強していきたいと思っています。
あの張り詰めた空気の中で、ひとりの作家について各界の人々が語り合う。見ているこちらも興奮してくるような番組でした。性別、自意識、人間の深くまで踏み込み意見を交わし合う。
私はSFを好まないこともあって、筒井康隆さんについては明るくありません。『残像に口紅を』を唯一手に取ったことがあるくらいです。『パプリカ』や『時をかける少女』の原作者だと聞いてとても驚きました。
100分の濃密な筒井康隆さんについてのでディスカッションを観て、非常に興味が湧きました。七瀬シリーズ、『虚構船団』など、開いてみたい本がたくさん。『虚構船団』は図書館で探してページをめくりました。独特の世界観、というにも独特の世界観すぎて眩暈がするような独特の世界観でした。
番組内で『失われた時を求めて』のように読みたいところだけ読めばいい、とおっしゃられていたので、その通りに読みたい部分だけぱらぱらと読みました。理解に苦しむ描写も多く難しいけれど、不思議と読みたくなる文章で、これがSFか、と筒井康隆ワールドを浴びました。
筒井康隆が大好き!という人でなくとも、充実した100分を過ごせると思います。お正月特番の再放送です。面白い番組です!NHKプラスでまだ配信されていると思いますので、ぜひどうぞ。