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花鳥風月
「花鳥風月」と聞くと、どんなことを思い浮かべますか?
四季、川のせせらぎ、鶯、そよ風、京都、俳句、詩歌、藤式部…
なんだか心温まる風景やなんかを思い浮かべますね。
実は花鳥風月という言葉は、日本人の生き方を指し示す言葉なのです。
今、わたしたちが使っている暦は太陽暦でグレゴリオ暦ですが、7月、8月の呼び名の由来をご存じですか?
7月は英語で、JULY、ラテン語でユリウス、そうです!
シーザーのことです。
8月は英語で、AUGUST、ラテン語でアウグストゥス、
そうなのです!
7月も8月もローマ皇帝の名前です。
一番長い月に余の名前を付けよ!との命令でそうなったそうで、かなりいい加減な暦がグレゴリオ暦なのです。
日本では、古(いにしえ)より太陰暦、月の暦を使っていました。
「天地明察」でも描かれていましたが、日本の暦は完全なアナログの緻密な実測値から出来上がったのです。
和暦とか旧暦と呼ばれているこの暦では、欧米列強と付き合うのに不便との理由で、明治7年一斉に変わったのです。
中国の春節は太陰暦のそれです。
月の暦によると日本の四季、季節との関係が深いのです。
昔は、
風が吹くと渡り鳥がやってくるとか、
○○の花が咲くと、どうなるとか、
○○の実が成ると、どうなるとか
雷が鳴るとこうなるとか
季節ごとに現れる事象を兆しとしてキャッチし、それに則った準備をしていくという日本人にとって花鳥風月とは、生きるための術だったのです。
生活の中に兆しを取り込んで生きていたのがわたしたち日本人なのです。
兆しを生きる術としていた日本人ですから、簡単に列挙しても
旬、潮、機、宵、丑三、黄昏、序、節、暁、中今…
時に関する単語がこれほどある国は珍しいのではないでしょうか。
時を知る、日を知る達人を「日知り」すなわち「聖(ひじり)」と言ったそうです。
今は季節は読みませんが、時勢とか時流などを読みますね。
現代の聖は、世の中の世相を読む人なのかもしれません。
兆しを読む文化は、形を変えて今も生き続けているのかもしれません。
花鳥風月、あなたのまわりに聖はいますか?
日を知る人
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