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「バカよけ」FoolProof

わたしはかつて医療機器をつくっていました。

医療機器治療器ですから、何らかの故障があった時に絶対に人体に影響がないように設計するのです。

フェールセーフは、壊れた時は必ず安全側に壊れるとか、

単一故障状態の検証など不測の故障は前もって想定できるようにしているのです。

そして、わたしが開発/設計に携わっていた時に格言がありました。

「バカはどこにでもいる。しかも必ずいる」

器械の構成を考えるうえで絶対に欠かせない要素のひとつに

 「フールプルーフ(バカよけ)

があります。

巷で実際にあった例では、1,000円札の両替機に小銭を添えて入れて詰まらせる人がいたので両替機の隙間はコインが入らない幅に設計変更されました。

これは結果的にアメリカのデマ情報だったのですが、濡れた猫を乾かそうと電子レンジに入れたとか。

グミをのどに詰まらせて亡くなった子どももいましたね。

シュレッダーに指を巻き込んでしまった事故もありました。

コネクタなどは、一方向でしか差し込めない形状になっていたりします。

掃除機は主婦の乱雑な扱いのお蔭で飛躍的に頑丈に進化しています。

石油ストーブは、揺れると火が消えるようになりました。

体験例で言えば、若い看護師が人工透析装置のポンプのレバーを掴んで、身長くらいある器械を移動させたときにレバーを曲げてしまいポンプの蓋が閉まらなくなったことがありました。

これらの事故は、ユーザの責任ではなく製造側の責任だったりします。

メーカが禁止を促したり、誤操作できないようにしていないことは、メーカ責任が問われてしまうのです。

ですから、絶対に想定外の使い方が

できないように構造や形状で対策したり、禁止事項の表示をしたり、その都度フールプルーフは、想定外の事故のないように製品に反映させていくのです。

必ず不測の事態も想定して設計しておかないと、後々大事故を起こす可能性があるのです。

今日日では、外国人など異文化の人が使う場合なども想定せねばならず、バカよけの範囲はかなり広く想定しなければいけないご時世になりました。

ていうか、今の若者も外人レベル、異文化の人レベルの想定外の範囲の人だとも言えます。

バカよけで育てられた製品は数えきれないくらいあります。

皆さんの周りにはどんなものがありますか?

「バカよけ」FoolProofの単語に反応してしまう方がいたらごめんなさい。いわゆるバカのことではなく、想定外のことの意です。
製品などの想定外の使われ方のリスクを無くす意図とFoolProofの直訳なのです。

100Love

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