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OSO18の悲劇

最近、埼玉や東京の郊外でサルが目撃されるニュースがありましたが、野生動物も生活圏や生態系が変化してきて人のいる地域に出かけサルを得ないのですかね。

以前本庄市で農業をやっていたときは、普通にイノシシよけの電流が走っている柵が畑を囲んでいたり、イノシシを捕まえる罠が仕掛けてあったりしました。そこの地元では獅子鍋を出している店もありました。

さて、今回のお話ですが、
OSO18(おそ18)という肉食になってしまったヒグマをご存じでしょうか。

ある日突然、家畜の牛がクマに襲われる事件が発生、OSO18は、2019~2023の4年間にわたり66頭の乳牛を襲撃し内32頭を殺した。

OSO18はゲリラ活動を得意とし、夜間の狩猟が禁止されているのを知っているかの如く現れ、仕掛けられた罠をも回避してキチンと目当ての牛を襲撃するなど狡猾さも兼ね備えており、多年にわたり畜産農家を悩まし続けたのです。

それが、去年2023年7月、やっと駆除されたので何度か報道されました。

NHKなんぞはスペシャル番組まで作ってました。
OSO18:オソ18とは、はじめて目撃されたのが、北海道の標茶町(しべちゃちょう)のオソツベツという土地だったのと、前足の幅が18㎝と推定されたことにより命名

該地では、増えすぎてしまったエゾシカが駆除され、山のあちこちにエゾシカの死骸が残され、餌に困ったヒグマがそれらを食べているうちに肉食が常態化し、木の実などの植物や果実を食べなくなり、能動的に肉を食らうために家畜を襲うようになったというのがOSO18だったのです。

以前、
吉村昭著「羆嵐」(クマアラシ)という小説を読んだことがあります。

大正4年12月北海道のある町で、冬眠しそこなった羆(ヒグマ)が二日間で男女6人の人間を殺害した話でしたが、留守の民家に上がり込み、タンスをひっかきまわし、人の香りを懐かしむように女ものの着物を引きずり出して嗅ぎまわる様は、人を食べ物として知ってしまった獣の性を感じました。

理性を持ち合わせていない動物は、本能のままに生きるしか術がない。

昔の人を襲う熊は、偶然がもたらした事故のようなものだったかもしれませんが、OSO18は、人の所業が道筋をつくっているような感じで、第2第3のOSO18、肉食のヒグマが現れるのは間違いないでしょうね。

最近、クマやイノシシやサルが突然街に現れて、人を襲う事故が頻繁に起こっていますが、循環型社会を目指す上で見過ごせない事象だと思います。

人が自然を守ろうとする過程で、不自然なクマを現わしてしまったわけで、循環型社会を目指すのであれば、こういった共存している生態系の変化をも鑑み、起こるべき事象をさらに掘り下げて考察し、プロファイルする必要がありますね。

循環型社会に含まれる領域は広いです。

そのうち自分の家の近くにサルが現れる日も近いかも?

100Love

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