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エーデルの五月長根葡萄園2018とブイヤベース 2024,06,02

夏が近づいてきていることを感じる今日この頃。
日中は暑くても湿度が低くて夕方は過ごしやすい。
まだ暑くなりきれていないこの季節は、
スッキリしつつも果実味をしっかり感じられる白ワインが飲みたくなります。

何がいいかな、と少しの間ぼんやり考えて、
今夜はエーデルワインの五月長根葡萄園を飲むことにしました。
しかも、2018年。わざとしばらく置いておいたものです。

五月長根葡萄園のブドウ種類はリースリング。
これを飲むまでは、リースリングは甘いイメージがあって敬遠していたけど、これはスッキリした果実味で香りが爽やか。
なのに力強さもあるから食事と合わせるのが難しくありません。
すっかりお気に入りで毎年買っています。

ワインは決まった。じゃあ、夕飯は何にしようかな。
やっぱりこの季節に食べたくなる、ブイヤベースを作ることにしました。
私にとって、ブイヤベースは冬ではなく初夏の食べ物なんです・・・。

そうと決まったら、魚の調達。
欲しい魚は、カサゴ、メバル、ホウボウ、タラ、カレイ、赤座エビの中から4種類くらい。できればカサゴは欲しい。
とは言え、遠くまで仕入れに行くわけではありません。近場のスーパーでベストを尽くすのみ。
もし手に入らなかったらメニュー変更。
私の、ワインとのペアリングへのこだわりはこんなもんです。

結果、手に入った魚は・・・

ホウボウ、タラ、アサリ。
カサゴはなかったけど、ホウボウがありました。むしろ驚き。
「ホウボウってスーパーで手に入るんだ!!∑(・0・)」
近年は温暖化の影響で漁獲量が増え、スーパーで見かけることも多くなっているんだそうです(クラシルさんより)。
ありがたいことに、ウロコと内臓は処理済みでした。

赤座エビとは言わないけど有頭赤エビならあるだろうと高を括っていたので、それすらなくて焦りました。出汁と「映え」に必要だったのに・・・。
あまり映えないけど、アサリで旨味を得ることにしました。
本場マルセイユでは「4種類以上の地中海原産を使うべし」というルールがあるそうで、これを見られたら怒られそうです。

野菜は、玉ねぎ、長ネギ、トマト。
トマトパックではなく、丸のトマトを潰して使うのがポイント。
だけど手間がかかって若干しんどい・・・。

とりあえず、ブイヤベースの下ごしらえを進めつつ、
五月長根(略称)の栓を抜きました。
(飲みながら作るスタイル)

岩手県花巻市のエーデルワインは、6年前に仕事先の方から教えてもらいました。
それ以来、「どんなワインかな、飲んでみたいな」と思っていたところ、
あるワインバーで「エーデルワイン縛りのワイン会」が行われることを知りました。

6種類のワインをエーデルワインから来た営業マンの説明を聞きながら食事とともに愉しむ会で、その中のひとつに五月長根葡萄園がありました。
それも、「バックヴィンテージ(2011年)と最新ヴィンテージ(2018年)の飲み比べ」という贅沢なやつ!

ワイン会(2019年)のワインリスト

最新の2018年は爽やかさが立って軽やかで、スッキリ美味しく楽しめます。カルパッチョなど鮮魚とフルーツを掛け合ったものが合う感じです。
一方、バックヴィンテージの2011年は、まず色が数トーンも濃くなっていることに驚きました。口に含むと、最新より明らかにまろやかで成熟した感じがしますが、古さや旬をすっかり過ぎた感じなどはまったくありません。味わいが全く違う! こちらは、鶏のクリーム煮などでも負けない感じがありました。思わず、
「こんな楽しみ方があるんだ!」
と口に出して言ってしまいました。

営業マンの方が「瓶詰したものをそのまま寝かせておいただけなんですよ」と(いうようなニュアンスで…)言っていたので、さっそく実践です。
2018年は合計5本を買いました。
3本は買い足す都度飲み、2本は「ワイン会で飲んだものと同じく、8年は待とう」と残しました。

―――結局、2本あると思うと8年は待てないんだな・・・。

栓を抜いて鼻を近づけてみると、充分成熟してきている香りがします。
グラスに注ぐと、8年待ちほどではなくとも色が濃くなっていました。
ひと口飲むと、若さを残しながら成熟し始めているのが感じられました。
言わずもがな、美味しい!

これは、ブイヤベースもしっかり作らねば・・・!

私がブイヤベースというものを知ったのは、
高校生の時に読んだ小説のワンシーンでした。

初夏を迎えてバカンスシーズンに入り始めたマルセイユが舞台で、
プラチナブロンドでストレートロングヘアの華奢な男の子を、
女の子と間違えた主人公がナンパしてブイヤベースを食べる、
というトンデモシーンです。笑

ナンパはともかく・・・

マルセイユ、バカンス、ブイヤベース。

これがワンセットで私の憧れイメージが出来上がりました。
以来、ブイヤベースへの情熱はわりと高めです。

魚はきつめに塩を振ってしばらくおいてから水で流し、
更にジン(タンカレ)とオリーブオイルを振って臭みを取りつつ風味を足します。
トマトは種を取り除いて実を漉して果汁を絞ります。
鶏ガラスープにトマト果汁、サフランはケチらず使い、白ワインとジンを足したものを沸騰させて、そこへ魚介を全て落とします。
ひと煮立ちしたらトマトの実を崩しながら入れて、少し煮詰めて完成!

魚介の出汁とトマトの酸味、サフランの贅沢な香りがしっかり出て、
ホウボウとタラは身も旨味がしっかり閉じ込められて美味しく出来ました。

五月長根との相性も良し!

スープも堪能できるようにパンを添え、塩のみのマッシュポテトも付け合わせました。

たとえ、
料理の出来が満点じゃなくても、
ペアリングが少々失敗したとしても、
「楽しく食べて飲む」のが私の信条です。

が。

今夜はブイヤベースの出来も五月長根とのペアリングも大満足でした。

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