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「楽しい日本」経済・防災など

石破首相の施政方針演説の中から私が気になった、あるいは注目した部分を拾ってみます。(施政方針演説の部分は太字)

経済

経済政策にとって最重視すべきは賃上げです。国民の所得と経済全体の生産性の向上を図ります。

日本のGDPが世界にしめる割合(シェア)は、1994年に18%でしたが2023年には4%へと下落しました。

「楽しい日本」を実現するにはコストカット型経済から高付加価値型経済への移行、「賃上げと投資が牽引する成長型経済」を実現します。

科学技術・イノベーション基本計画を改定し、AI、量子、バイオ、宇宙、フュージョン等戦略分野での投資を促します。

日本のGDPのシェアが18%から4%にまで落ちたこと、私も最近本で読みましたが、かなりの衝撃を受けました。それによると、
「明治維新の頃の日本のGDPシェアは3%程度で、第2次世界大戦直前の頃では5%ほどに上がり、敗戦で3%にまで落ちた。戦後の経済復興により上昇し、1994年にピークを迎えた」
とのことです。おそらく、多くの高齢者はGDPシェア4%という数値を認識していないと思います。(私も最近知りました)バブル崩壊頃の現役世代とZ世代とでは相当の意識のギャップがあると思われます。

AI、量子、バイオ、宇宙、フュージョンどれも重要だと思いますが、今の日本にこれら全てに投資して成果を出す力が残っているでしょうか。政治家は日本の国力をかつてのような強い国へと引き上げたいのかもしれませんが、もはや手遅れではないか、と感じます。

社会保障

父母が共に育児休業を取得した際の給付率を手取りで10割に引き上げるとともに、保育士等の配置、処遇を改善します。

医師偏在対策を総合的に推進するための法案を提出します。

医師会という強力なロビー団体と、どのようにやり合うのか注目です。

防災・治安

内閣府防災担当の機能を予算、人員の両面から抜本的に強化します。その上で防災庁を26年度中に設置するべく準備を加速します。

昨年12月20日に防災立国推進閣僚会議が開かれています。その資料に、かなり具体的な取り組み内容や状況が記載されています。関心のある方は以下の内閣府のホームページを参照ください。

防災の強化については期待しています。石破首相は自民党総裁選挙の前、総理大臣になったら最もやりたいことは何かと聞かれて、防災省を作りたい。とおっしゃっていました。例えば以下の中田敦彦さんとの対談においても防災省の基礎くらいは作りたいと言われています。


上記対談時の石破首相の発言を見ても、防災に対する本気度は相当高いと思われます。色々と制約があったとしても、総理大臣にはかなりの権限があります。本当に石破首相が防災庁を作りたいと思っているなら、できるはずです。期待しつつ注目します。

外交・安全保障

防衛力の抜本的強化を着実に進めます。シェルターの確保等を着実かつ早急に進めるなど、国民保護の取り組みを強化します。自衛隊の人的基盤の強化に取り組みます。30を超える手当等の新設・金額の引き上げなど過去に例のない取り組みを25年度から実施します。自衛官の処遇の魅力向上、若くして定年退職を迎える自衛官が退職後も活躍できる環境の創出等を内容とする法案を提出します。

防災と並んで石破首相が注力しているのは防衛、特に自衛官の処遇を向上させることです。この考えは私も賛成です。アメリカに騙されて、使うかどうかわからない、役立つかどうかもわからない武器にお金を使うのはいかがなものかと思いますが、自衛官の処遇向上には賛同します。自衛隊は戦時だけでなく、災害の際にも出動されています。命の危険もある厳しい任務に取り組まれているわけですから、相応の処遇がなされて当然だと思います。

施政方針演説は結構長いので、その全てを確認する人は少ないと思います。私のように仕事がなくて、時間のある人間でないと無理かもしれません。けれども、演説の詳細をチェックすると、今回の通常国会でどのような法案が提出されるのか、政府はどのような方向に進むのか、とかある程度予想できます。賛成か反対かは別にして、法律や予算が行政に影響を与えるし、それが我々の生活や今後の世の中にも少なからず影響を及ぼすことになります。日本の将来を占うためには貴重な情報だと考えています。

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