税理士業界で働く人のキャリアについて
税理士といっても、その業務内容は所属する会計事務所・税理士法人によって、かなり異なります。
また、税理士は独立することや税理士法人に勤務するだけが全てではなく、税務や会計の知識・経験を活かせる場所はたくさんあります。
私は会計事務所勤務を経て、現在はbig4の税理士法人で働いています。
転職に至るまで、自分が税理士になってどんなことをしたいのか、そのためにどこで働きたいのか、悩んできました。
本を読んだり、転職エージェントに相談したり、周りの税理士の先輩の話を聞いたり…
今回は、そんな経験をふまえて、税理士業界で働く人のキャリアについて私なりに書いてみようと思います。
これから税理士業界で働くことを考えている人や、現在会計事務所・税理士法人で働きながら、将来転職を考えている人は、参考にしていただけると嬉しいです。
◆ 会計事務所、税理士法人の分類
税理士が働く会計事務所、税理士法人はその規模によって5つぐらいに分類されます。
(以下は、あくまで私のイメージで書いてます!)
①big4税理士法人
国際会計ファームとパートナーシップを結ぶ4大税理士法人。クライアントは外資系、上場企業がほとんど。
②大手税理士法人
国内大手の辻本郷、山パ。クライアントは外資系や上場企業だけでなく、幅広い。
③準大手税理士法人
規模的には②まで至ってないけど、規模が大きい税理士法人。
④中規模税理士法人、規模の大きい個人の会計事務所
従業員数が40人前後ぐらい。⑤と比べて、わりと社内の制度が整っていたり、所属している税理士の数も多いが、代表の権限が強い。クライアントは個人から中規模の法人。
⑤小規模税理士法人、個人の会計事務所
従業員数が少なく、所属している税理士の数も少ない。個人であれば所長だけが資格者の場合も多い。クライアントは個人、小規模の法人が多い。
◆ どこで働く?
税理士の仕事として、やはり一番一般的なのは、中小企業、個人事業主の税務顧問業務だと思います。一般的な顧問業務は、法人税、消費税、所得税、相続税などの幅広い税務の知識が求められます。
一般的な業務内容を行う税理士として独立を目指すのであれば、そういう業務を経験できる③〜⑤で、一度は働くことが必要なのかなと思います。
上記の分類はあくまでも規模に着目したものですが、税理士法人の中には、相続や事業承継、M&Aなどに特化した特化型の税理士法人もあります。特化型の税理士法人の規模は様々です。
相続がやりたい、など明確にやりたい業務がある場合や、独立した時にための強みが欲しい場合は、特化型の税理士法人に行くのが近道です。
上場企業や外資系企業で、国際税務や規模の大きい法人の申告をメインに経験したい場合は、①②になると思います。(国際税務に特化した中規模の税理士法人もあります。また、big4でも事業承継や、中規模の法人の税務業務をメインとして行う部署もあります。)
①②で働く場合には、個人の所得税、相続税から、法人税の申告までを、幅広くは経験できないと思った方がいいです。
規模が大きくなるだけ分業になるので、自分が経験できる業務の幅は狭くなりますが、経験できる内容は濃くなります。そのため、何か強みをつけたい場合にも規模の大きい法人はいいと思います。
また、①②だと比較的福利厚生が整っているイメージです。仕事内容だけでなく、働く環境で選ぶという考え方もあります。
さらに、税理士が働く場所は、会計事務所や税理士法人だけではありません。
企業の経理部、税務部などでも、会計・税務の知識は生かすことができますし、
コンサルティングファームや、金融機関で働く道もあります。
他にも、税務に関りたいということであれば、公務員の道もあります。
公務員になって、国税庁職員になる道だけでなく、
税理士になると、国税不服審判所での任期付き職員に応募できます。
このように、税理士として(税務の知識を活かして)働く場所は様々なので、自分のやりたいことと向き合って、それが出来る場所を選ぶ必要があります。
その上で、そのやりたいことが出来る会社に入るためには何が必要なのか、戦略を練る必要があります。
◆ 転職するなら
例えば未経験で税理士業界に入る場合、税理士試験の科目合格の数が多くかつ年齢が若いという人や、英語がめちゃくちゃできるなどのことがない限り、①②に入るのは難しいと思います。
big4に入るためには、よほどの経験や語学力がない限り、2科目合格は必須のようですし、実際、未経験でbig4 に入る人は、入った段階で税理士試験は終わっている人が多かったです(それぞれの法人によると思います)。
なので、例えば、big4に入りたいという目標があるのであれば、未経験でも採用してくれる④か⑤で働いて、科目数がある程度増えてきたら転職するという方法もあります。もしくは、big4のアルバイトとして働いて、科目数が増えてきたら正社員になるという人もいます。
独立を目指すなら、まずは③〜⑤で一般的な業務を学んだ後、特化型の税理士法人に転職して、独立した時の強みを作るという考えもあります。
また、税理士を目指していない人が、将来企業の経理で働きたいけど、未経験では経理職への就職が難しい場合、まずは④ぐらいで働くのをおすすめします。会計事務所と経理の仕事は、重なる部分も多いので、中小規模の企業であれば、会計事務所での経験は、転職での強みになると思います。
このように、自分がやりたいことを実現することが今すぐには難しい場合は、そこに至るまでの道筋を考えて、経験を積みながら、働く場所を段階的に選んでいく、という方法をおすすめしたいと思います。
あとは、自分の人生の目標の中で、その段階にあった、働きやすい環境を選んでいくということも重要だと思います。
◆ 最後に
今回の税理士業界でのキャリアについてのお話は、私にとって長い間のテーマでしたが、
書くのが難しく、まとまりのない文章になってしまいました…
私は紆余曲折を経て税理士を目指すことになったのですが、最近は早いうちから自分のキャリアについて考えている人が多いことに驚きますし、自分ももっと早いうちに考えておけば、みたいに思うこともあります。
それでも、遠回りこそ一番の近道だと思って、今思う最大限のことをしていきたい。
税理士は、キャリアチェンジして税理士になる人も多いので、本当に色んな人がいて、そこが税理士業界の魅力だと思っていますし、税理士としても、そういう深みがあることは最大の強みになると思っています。
↓ ちょっと古いかもしれないですが、税理士の段階的なキャリアの積み方について学べるのでおすすめです。
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