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深山ユウ
2024年2月14日 13:46
トレイの上に乗った石鍋がじゅうじゅうと不吉な音を立てている。ショッピングモール内のフードコートでは色々なものが注文できるのに、梨花が注文したのは、よりによって石焼ビビンバだ。辛さと熱さを兼ね備えた、私にとっては理解不能な食べ物。辛味も熱も痛みに繋がるのに、どうしてわざわざ金を払ってまで痛みを感じようとするのだろう。「一口あげるよ」 突然、梨花がビビンバを差し出しながら言った。私は自分で注