フィリピンパブ戦闘記vol.1

5ヶ月に及ぶフィリピンパブでの全てを体験をここに記す。

最初に言うと、悩んでるやつ、やる気出ないやつ、憂鬱な毎日を過ごしてるやつ、みんなフィリピンパブいけ。全部解決すっから。



あれは忘れもしない12/3すべては始まった。
職場の資格試験を終え、解放感から高校時代の仲間と遊ぶことに。こいつとは高校の同級生で以来、こいつは東京の国立のある大学、おれは東京の私立の大学に進学し、ずーっとつるんでる。仮に名前を酒井とする。
酒井といつもはサウナに行ったり麻雀したり。
その日はパチンコ。そのパチンコでゲロ負けしてる時だった。



「フィリピンパブ行かない?」何気ない一言が酒井から発せられた。
フィリピンパブ?ジジイが行くとこだろ。。。そんな印象しかなかったおれは乗り気ではなかった。パチンコでも負けてるし。
でもちょっと覗いてみるだけと言う軽い気持ちで、時刻は20時30分、パチンコを切り上げフィリピンパブへ向かい、扉を開けた。



「イラッシャイマセェエ!」
バカ高い声と共に聞こえてきたのはカタコトの日本語とカラオケ、そしてライトに照らされた店内。ここは日本か?ほんとにそう思った。小さすぎず大きすぎない店内、煌びやかで一体感がある客席。そして奥にはステージがあった。


今までのスナックやキャバクラとは違う何かを感じた。その何かはその時にはまだわからなかったのだが。


ボーイのフィリピン人の男は言った。
「もうすこしでショータイムがあるからそれ見て気に入った女の子指名すればいい。それまでフリーね。」

そしておれたち2人に2人の女の子たちがついてくれた。一生懸命なカタコトな日本語にとびきりの笑顔、とても元気がいい。そして可愛い。
あー、なんとなくフィリピンパブにハマるジジイの気持ちもわかるな〜なんて思いながら酒を飲む。


そんな軽い気持ちが吹き飛ぶ出来事が突如訪れる。おれに衝撃の稲妻が走る。



ショータイムだ。バカでかい音楽と共に女の子がバックヤードに消え、いきなりみんなでステージでダンスを踊り始めた。
お世辞にもめちゃくちゃ上手いわけじゃない。
なのにおれは見入ってしまった。
遠い異国の地で様々な理由やバックボーンがありながらここで苦しくも明るく元気に働く姿を見て心をぶち抜かれたのだ。

一生懸命は心にブッ刺さる。

そしてダンスや歌、一通り終わると女の子の紹介で
女の子が各席握手にまわる。そこでお気に入りの子を見つけ指名すると言う流れだ。


おれはダンス中に1人の女の子に目を奪われた。
ダンスは上手くないのに一生懸命ニコニコずっと笑ってる細身で小柄なスパニッシュ系の顔立ちの女の子。顔に惹かれたのか、雰囲気に惹かれたのか、一生懸命なダンスに惹かれたのかはわからない。多分全部。

名前はチャイ。笑顔で握手をしにきてくれた。他の子を見る気もせずその子を指名した。

一方では一緒に来ていた酒井は女の子をとっかえひっかえしいろんな子と楽しんでた。パロパロムーブ。フィリピンで言う浮気者のことだ。
後にこいつが1人の女の子にどっぷり骨の髄までハマりどえらい目をみるのだがそれはまた別のときに。


そんなこんなでおれはチャイと出会った。
チャイは日本語もそれなりに話せ英語も話せる。コミニュケーションをとるのは非常に楽で会話が弾んだ。笑顔に一生懸命な姿勢、真っ直ぐな瞳。



閉店時間の3時になってた。
気づいたら延長に延長を重ね一瞬で閉店時間になった。
かの有名なアインシュタインはこう言った。
「自身が構築した相対性理論(における、時間の相対性)に関して(物理学の門外漢から)尋ねられた時、「熱いストーブの上に1分間手を当ててみて下さい、まるで1時間位に感じられる。では可愛い女の子と一緒に1時間座っているとどうだろう、まるで1分間ぐらいにしか感じられない。それが相対性です」



アインシュタインを理解したいならフィリピンパブにいけ。
一生懸命は心に響く、体感したいならフィリピンパブにいけ。


店の外に出た時、酒井と話した。
「また1ヶ月か2ヶ月後行こうや。」



6日後。またおれたちはそこにいた。

続く。

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