戯曲「お悩み解決ノート」 ４
関西人 ほら(天草をさす)
悠祐 ほんとだ…
ガンジー これはこれは天草どの。
悠祐 天草？
ガンジー 天草四郎ミュージアムの帰りですか。
悠祐 天草四郎？！
天草 はい。天草四郎ですけど。ここはどこですか？
(悠祐に)あなたは誰ですか？
関西人 四郎君もここに来たということは、彼に必要なものなんやな。
関西人が天草にウインクをしたりして、必死にサインを送る。
天草 あー！必要なもの！この方に必要なもの！
私はあなたに必要なものです。
悠祐 それはどういう意味ですか？
最初に来たあの人もガンジーさんも言ってましたよ。
ガンジー それは自分で見つけないと。我々があなたに会いに来てる意味がないからね。
悠祐 あっそれ！最初に来たあの人も同じこと言ってました。
本当にどういう意味ですか？
関西人 最初に来たあの人って。なんとなくわかるやろ。
悠祐 だって名前まだ聞いてないですもん。あなたは何の本の誰ですか？
関西人 わからへんか？めっちゃ特徴的やと思うんやけど、
関西人 イスの上に立つ。
悠祐 特徴的ではあるんですけど、関西弁をしゃべっていて、
服装も2人と違う現代の服だし、
すごく関西人の特徴はとらえてるんですけど、
具体的なものは何もわからなくて、
関西人 それやん！それ！
悠祐 どれですか？
関西人 関西人！
関西人 誇らしげにグリコのポーズをする。
悠祐 そんなにざっくりしてるんですか！本になってる歴史の人でもなく、
何かの物語の登場人物でもなく、関西人！
関西人 わしかて本になってるで！
天草 兄さんは関西のガイドブックにのってる関西人ですもんね、
一応、本に出てくる人ですよ。
関西人 ガイドブックだってれっきとした本やからな！
悠祐 あー！なるほど！関西のガイドブックか！
ガンジー 関西人君は、この本の人物たちの世界では、
兄さんって呼ばれてるんやで。
悠祐 兄さん…
関西人 なんかおかしいか？！
悠祐 いや、似合ってるなって。
っていうか、僕に必要なものって本当になんなんですか？
皆さんが持ってる物なんですか？
関西人 ポーズを辞めて座る。
天草 まあまあ、そんなに焦らなくても、いずれかわかるんじゃないですかね。
ガンジー その通りやで悠祐。焦らなくていいんや。
悠祐 そんなこと言われても、気になります。
関西人 悠祐。まだ自分のこと話してないで。
悠祐 もうその話はいいじゃないですか。
関西人 わしは悠祐のことを知るまでお前を帰さないからな。
悠祐 えー。
天草 話すことは大事ですよ。僕も生前キリスト教を知ってもらうために
ひたすらキリスト教のことを語ってましたもん。僕の言葉を聞いて、 興味を持ってくれる方とかいたんですよ。
ガンジー 私もやっぱり市民の賛成を得るために、自分の考えとか、
どうしていきたいとかよく話したな。
話せば分かってくれる人がほとんどだった気がする。
悠祐 そんなに僕のことを知りたいですか？
関西人 そりゃ、お前さんの必要なものやもん
悠祐 それほんとに、どう
天草 練習します？自分のことを話す練習。
関西人 ええな！そうしよ！
ガンジー 練習ってどうするん？
天草 そこなんですよねー。
関西人 なんや。思い付いてないんかいな。
ガンジー どうしたら話しやすいやろ。
関西人 質問をして、それに答えるっていうのはどうや？
天草 確かにそれだったら話しやすいかも！
関西人 やってみよ！
机を上手側にイスを下手側にハの字になるように置く。
イスに悠祐を座らせ、ひとつの机に3人膝立ちで入る。
関西人 …狭いな。
天草とガンジーは机から外れて正座で座る。
関西人 それでは始めます。まずは、お名前をお願いします。
悠祐 吉原悠祐です。
関西人 あなたの長所はどこですか。
悠祐 長所は…えっとー
天草 なんか面接みたいですね。
ガンジー こんなん、緊張して、よけいに話しずらいやろ。
関西人 …ほんまやな。
天草 はい！僕いいこと思いつきました！ヒーローインタビューしましょ！
悠祐 ヒーローインタビュー？
関西人 ええやんそれ！
天草 男なら誰もが1度は憧れるヒーローインタビューをすれば、
気分よく自分のことを話せるんじゃないですかね！
ガンジー ナイスアイディア！
悠祐 うーん。そういうことかな？
天草 とりあえずやってみましょ。
関西人、ガンジー、天草でインタビュー会場をつくる。
《続く》
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