ヒーローというメッキが剥がれ、そこにはただの人間がいたことに気がつく 【僕のヒーローアカデミア】
はじめに
ヒロアカのアニメ第6期の最終回が放送され、いよいよ物語もクライマックスへと進んでいく。今回はヒロアカ(アニメ第6期時点まで)の感想を作品のテーマである『ヒーローとは何か?』についてフォーカスしながら語る。
ヒーローというメッキが剥がれる
ヒーロー飽和社会はヴィランによって崩れ去り、ヒーローというメッキは剥がされ、そこには普通の人間がいたことに気付かされる。普通の人間が心の支えなくして自己犠牲をできるわけもなく、ヒーローたちは次々と辞めていく。それでも、明るい未来を信じる人たちがいた。しかし、そんな彼らに対し、市民はいまだに幻想に囚われ、彼らに責任を追及する。
これが、6期で描かれたテーマ視点のストーリーである。これを見て、現代社会もまさにこの瞬間にいるなと思った。
インターネットの登場によって情報が共有されたことで、国やテレビや学校などのメッキが次々と剥がされ、崩壊し始めている。しかし、国民はいまだに責任を全て押し付けたり、幻想があると信じ込もうとしている。
ヒロアカも現実も行われているのは破壊と創造である。昔の価値観が壊され、新しい価値観が創造されている。そこで、重要となるキーワードは、ヒロアカ世界では『寄り添い』現実では『選択』ということになるだろう。私はこの作品のテーマがどう着地するのかを現実と照らし合わせながら、これからも見ていきたい。
最後に
ヒーローというメッキが剥がされ、次に剥がされるのはヴィラン側なのだろう。ヴィランもただの人間であり、寄り添うことが最も必要な人たちである。しかし、殺人鬼に寄り添うことなど容易なことではない。そこの葛藤に対して、主人公たちはどう答えを出してくれるのか注目していきたい。
画像出典
堀越耕平、『僕のヒーローアカデミア』、集英社、僕のヒーローアカデミア製作委員会