川野浩二(NPO MASC)

NPOメディア・アクセス・サポートセンター 理事・事務局長。元音響エンジニア。映画の感動を皆のものにするために視聴覚障害者も楽しめるように、映画館で使える「メガネで見る字幕ガイド」「スマホで聴く音声ガイド」を考案、バリアフリー映画の普及促進をしながらプロの制作者を養成している。

川野浩二(NPO MASC)

NPOメディア・アクセス・サポートセンター 理事・事務局長。元音響エンジニア。映画の感動を皆のものにするために視聴覚障害者も楽しめるように、映画館で使える「メガネで見る字幕ガイド」「スマホで聴く音声ガイド」を考案、バリアフリー映画の普及促進をしながらプロの制作者を養成している。

マガジン

  • 「映画みにいこ!」ポッドキャスト:「スマホで聴く音声ガイド」

    バリアフリー映画情報を音声で毎週お届けするお届けするポッドキャストです。 現在上映している「スマホで聴く音声ガイド」に対応した作品、そしてこれから対応予定の作品を紹介します。また、制作に関わる方、利用者へのインタビューコーナーもあります。

最近の記事

「映画・映像のモニター監修」を視覚障害者の仕事にしたい

MASC設立から15年以上経過しましたたが、設立当初から考えていた事がこれです。 現在、日本における視覚障害者の主な仕事は マッサージ師・鍼灸師:伝統的に視覚障害者の職業として確立されており、多くの方が活躍しています。 テレフォンオペレーター:電話応対や顧客サービスなど、音声を主な手段とする仕事です。 音楽関連の職業:ピアノ調律師や音楽教師など、聴覚を活かした仕事があります。 IT関連の職業:スクリーンリーダーなどの支援技術を使用し、プログラマーやウェブデザイナーとして働

    • 「手話」と「字幕」プロジェクト

      聴覚障害といっても、ろう者、中途失聴者、難聴者とそれぞれ求める情報保障が違います。このサイトは「手話」と「字幕」の両方を付けるサイトの開発とその提供を行っています。 ​第一弾として、文部科学省で配信されている「情報モラルに関する指導の充実に資する〈児童生徒向けの動画教材〉全25本に対応しています。 ​*スマートフォン及びタブレット端末での再生はできません。 近年、児童生徒が、無料通話アプリやSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)、オンラインゲーム等の利用などを通じて

      • 第158回 #サイレントラブ

        バリアフリー映画情報をお届けするポッドキャストです。 前回の振り返り 1作品 ■ゴールデンカムイ HELLO! MOVIE 2時間8分 ◇対応開始1作品 ■サイレントラブ 1月26日金曜日公開日からHELLO! MOVIE 1時間56分 ◇今後の対応予定作品 作品 ■劇場版 君と世界が終わる日に FINAL 劇場公開日:1月26日ですが、対応が開始するのは2月2日金曜日から ■「鬼滅の刃」絆の奇跡、そして柱稽古へ 2月2日 ■身代わり忠臣蔵 2月9日金曜日公開日から ■夜明けのすべて 2月9日金曜日公開日から ◇MASCからのお知らせ など ・パーソナリティ:徳江さやか

        • 映画みにいこ! #157「ゴールデンカムイ」

          バリアフリー映画情報をお届けするポッドキャストです。 ◇前回の振り返り 5作品 HELLO! MOVIE:劇場版 SPY×FAMILY CODE: White/カラオケ行こ! UDcast:笑いのカイブツ/巡る、カカオ ~神のフルーツに魅せられた日本人~/ある閉ざされた雪の山荘で ◇対応開始1作品 ■ゴールデンカムイ 1月19日金曜日  公開日からHELLO! MOVIE 2時間8分(128分) ◇今後の対応予定作品 作品 ■サイレントラブ 1月26日金曜日 公開日からHELLO! MOVIE ■劇場版 君と世界が終わる日に FINAL 劇場公開日:1月26日ですが、対応が開始するのは2月2日金曜日から ◇ゲスト:ヨコハマらいぶシネマの代表、「株式会社音声ガイドット」取締役会長 鳥居秀和さん「横浜のミニシアター<シネマ・ジャック&ベティ>の支援について」 ◇MASCからのお知らせ など

        マガジン

        • 「映画みにいこ!」ポッドキャスト:「スマホで聴く音声ガイド」
          2本

        記事

          バリアフリー音声ガイド制作ガイドライン[後編]

          MASC設立以来13年間、音声ガイド制作者を養成した講師、河野雅昭が執筆した「制作ハンドブック(ガイドライン)」を前編、後編にて公開しています。 *掲載されている一部統計データ、状況は2011年のものですが、基本理念、考え方、学習方法などは普遍的なものです。 視覚障害者用音声ガイド 制作ハンドブック[後編]前編より続き 6 いかに説明するかこの章に関しては、さまざまな要素が絡み合うので、テーマ別に切り口を分けて考えてみたい。 「ガイドの語り口」について  実はもうとっ

          ¥500

          バリアフリー音声ガイド制作ガイドライン[後編]

          ¥500

          バリアフリー音声ガイド制作ガイドライン[前編]

          MASC設立以来13年間、音声ガイド制作者を養成した講師、河野雅昭が執筆した「制作ハンドブック(ガイドライン)」を前編、後編にて公開します。 *掲載されている一部統計データ、状況は2011年のものですが、基本理念、考え方、学習方法などは普遍的なものです。 視覚障害者用音声ガイド 制作ハンドブック[前編] 1「音声ガイド」を考えるにあたって まずはじめに言葉の定義から入りたい。 視覚障害者の映像鑑賞を助ける音声情報は「解説放送」「副音声」「副音声解説」「音声ガイド」などと呼ば

          ¥500

          バリアフリー音声ガイド制作ガイドライン[前編]

          ¥500

          目が見えなくても、見えにくくても、映画を楽しんで!

          そんな思いで始めたポッドキャスト。もう156回になりました。 「スマホで聴く音声ガイド」は、邦画メジャー作品のほとんど対応するようになり、シネコンでは「今日は何を観ようかな?」と選べる時代になったのです。 この事業を始めるほんの数年前までは、年間2〜3作品、それも盲導犬や当事者が主人公の映画、そして音声ガイドはFMラジオに送信するため、「その日」「その場所」「その時間」1回だけの対応だったのです。この辺の状況はいずれ忘れられるのでしょうが、当時ここに関わる人たちは音声ガイド

          目が見えなくても、見えにくくても、映画を楽しんで!

          4月から「バリアフリー字幕ガイド集中講座」「バリアフリー音声ガイド集中講座」を開講する。MASC設立以来、日本映像翻訳アカデミーさんと共催で実施していた講座の流れではありますが、MASCならではのカリキュラムを作ります。乞うご期待!

          4月から「バリアフリー字幕ガイド集中講座」「バリアフリー音声ガイド集中講座」を開講する。MASC設立以来、日本映像翻訳アカデミーさんと共催で実施していた講座の流れではありますが、MASCならではのカリキュラムを作ります。乞うご期待!

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          字幕制作ソフト「おこ助Pro3」の使い方1「おこ助って何?」

          字幕制作に必要なソフトのハードルを下げるのに貢献している「おこ助Pro3」の使い方動画シリーズです。

          字幕制作ソフト「おこ助Pro3」の使い方1「おこ助って何?」

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          「映画みにいこ!」ポッドキャスト 第156回

          バリアフリー映画情報をお届けするポッドキャストです。 前回の振り返り 1作品 仮面ライダー THE WINTER MOVIE ガッチャード&ギーツ 最強ケミー★ガッチャ大作戦 ◇対応開始6作品 ■笑いのカイブツ UDcast 1時間56分 ■劇場版 SPY×FAMILY CODE: White HELLO! MOVIE 1時間50分 ■巡る、カカオ ~神のフルーツに魅せられた日本人~ UDcast 1時間29分 ■カラオケ行こ! 1月12日公開日から対応 HELLO! MOVIE 1時間47分107分 ■ある閉ざされた雪の山荘で UDcast 1時間49分 ◇今後の対応予定作品 作品 ■ゴールデンカムイ ■サイレントラブ 1月26日金曜日 公開日 1時間56分 ■劇場版 君と世界が終わる日に FINAL ◇ゲスト:W and S Meeting のみなさま 「ハロームービーなど、アプリを使った映画鑑賞について」 sapporo.ssc を主催している 有限会社トータルケアサービス 介護事業所いちごいちえ 代表取締役 中山充夫さんインタビュー

          「映画みにいこ!」ポッドキャスト 第156回

          「映画みにいこ!」ポッドキャスト 第156回

          あまり昔の話など書きたくないのだけど、記録として正確に残しておきたいと思ったので、順次、書いていこう。

          あまり昔の話など書きたくないのだけど、記録として正確に残しておきたいと思ったので、順次、書いていこう。

          映画のバリアフリー化はここから始まった

          映画館で実験開始 MASC設立後の翌年、2010年に日本財団の助成金が取れ、バリアフリー視聴環境整備のさまざまな実験を開始した。その記録を書く。 舞台は「蒲田宝塚」「テアトル蒲田」であった。(既に閉館) ここは、どこか懐かしい昭和の香りがする映画館で「蒲田宝塚」では東宝系、「テアトル蒲田」では東映系の劇場公開映画が上映されていた。古い映画館だったが、古い作品を上映する2番館ではなく、最新作を上映していた。 その最新作を1年間、全てバリアフリー化し、毎週日曜日、字幕は「ヘッ

          映画のバリアフリー化はここから始まった

          「人との出会いで物事は動く」実は比例して、傷つけられる事も多い。 障害者福祉で大きな助成金を貰っているある会社の社長が、MASCを設立させないように障害者の方々に声をかけて動いたことがあった。関係する人から厚労省に呼び出され、脅された事もあった。丁寧に説明して理解は得たが…

          「人との出会いで物事は動く」実は比例して、傷つけられる事も多い。 障害者福祉で大きな助成金を貰っているある会社の社長が、MASCを設立させないように障害者の方々に声をかけて動いたことがあった。関係する人から厚労省に呼び出され、脅された事もあった。丁寧に説明して理解は得たが…

          これまでのことを後世に正確に残しておきたいので、いろいろ書くことにした。もちろん過去何をしたかではなく、これから何をするかが重要です。

          これまでのことを後世に正確に残しておきたいので、いろいろ書くことにした。もちろん過去何をしたかではなく、これから何をするかが重要です。

          出会いが人を動かし物事が動く

          MASC設立の背景には出会いがあった福祉の分野では活発な女性の活躍が目立つ。あまり言うと怒られそうだけど、周りの状況、社会的な背景、業界のルールなど無視して「ああしたい」「こうしたい」を障害当事者に寄り添う形で発言をし、行動に移す方が多いように感じる。それが、現スタッフでもある、徳江さやかである。 彼女との出会いは、2007年頃だったと思うが、確かmixiだったかな。「バリアフリー映画鑑賞推進団体 シティライツ」で視覚障害者と一緒に、当時は音声ガイドをささやいて鑑賞していた

          出会いが人を動かし物事が動く

          MASC設立のきっかけ

          DVDに字幕が無いと私はこの映画を死ぬまで見られない 2005年頃、ある聴覚障害の方が「このDVDに字幕を字幕を付けて欲しい」と署名活動をされているのをネットで見つけた。私はその方に会うことにし、筆談で話をしてみると「字幕が無いと死ぬまでこの映画を観ることができない」と、その切実さを知った。当時、ポストプロダクション、キュー・テック(レーザーディスクを世に出したパイオニアグループ)でDVDの技術支援の部署に居て、字幕を付けての再発売はまず不可能なので、ネット経由で字幕を付け

          MASC設立のきっかけ