親父に教わった100の考え方その4 武士は食わねど高楊枝
高校3年生の冬の出来事
同級生は、もう就職すると決めた人は働き先が決まったり、大学、専門学校組は受験の準備しているさなか、うちの親父の呼び出しがかかった。
なんだろうと思いながら、うちの家の応接の椅子に座り親父が私の正面の椅子に座った直後
親父が「すまん、お前を進学させることが出来なくなった、すまん」
えっなんなんだと思った瞬間
日頃威厳のある親父が「不景気でお金がない、申し訳ない大学に行かすだけのお金がない」というと親父の目から涙がポロっとこぼれたのを初め
て見た。
いつも私からするとヒーローの親父が、涙を流して、こんなバカ息子の為に涙を流してくれる姿を見て
私も何故か涙がこぼれ、「お父ちゃん、泣かんといて、わしの前では、かっこよくいてくれ」と言ったことを今でも覚えている。
そして私は、「わかった働く、でも少しだけやけど受験勉強したから、試験だけ受けさせてください」と言った
親父は、「自分が情けない、息子の行きたい方向を助けてやるかとが出来ない自分んが情けない」と言っていた
でも、私は、こんな私の為に涙を流してくれた親父を情けないどころか、ありがとうという気持ちしかなく、その時、絶対私が金持ちに
成って親父とお袋を毎年、海外旅行に連れて行ってやろうと誓った瞬間でもある。
それから、うちの親父は自分の仕事のほかにアルバイトに行きだした、正月の年賀状の配達である。
又、その冬は例年になく寒く、アルバイトから帰ってくる親父は鼻水を垂らしながら家に帰ってきた、でも、そんな姿がかっこよく見えた
私を試験だけでも受けさせてやろう、一つの大学を受けるだけでも、田舎から大阪まで行く宿泊費に試験代金、それを稼ごうとしてくれてる
姿を見て感じて、それが、カッコ悪くなんて見えるわけがない
そんなある日、私の家に友達が6人くらい遊びに来た、
朝から、たわいもない話をして、ボードゲームを楽しみ、お昼時のことである、
私の部屋は2階だったので、下の一階から親父が「昼は出前でラーメンんと焼き飯でええか? 何人いてる? 」
と声をかけてきた、
その声を聴いた私は、すぐに一階の親父のところに行き
「お父ちゃん、今、うちの家お金無いのやろ、そんなんせんといて、みんなもう帰るから」
その時いった親父の言葉
「お前の友達が来てるんやろ、カッコつけとけ」
でも、お金無いやん
親父曰く「武士は食わねど高楊枝」
あの時の親父はしびれるほどカッコよかった、
それが自分も大人になってもし、お金が無かったとしても言えれる男に成りたいと思った出来事であり私の今の基本である