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学習指導⑩間違えることは価値あること


授業をしていると、子どもたちが

「間違えることを恐れているな。」

と感じることがあります。

気持ちはよく分かります。間違えることは基本的にしたくないし、恐いと感じるものだと思います。

しかし、担任としては「学び合う集団」になってほしいとねがっているので、

どうにかしてこのマイナスな感情を減らしていきたいですよね。そこで私が子どもたちに伝えていることを紹介します。


まずは、間違えることは恐いことに共感することです。私自身、恐いと感じる性格なので、心から共感できます。もちろん、そうでない先生でも子どもたちの気持ちに寄り添うことはできます。

そして、子どもたち全体でこのことを共有することで、「そういう人もいるのか。」と、間違いを恐れる子に寄り添う子たちが増えます。

また、「みんなそう思っているんだ。」と、間違えを恐れる子も、一人ではないということを認識し、そこから頑張ろうとする土台ができます。


次に、間違えることを価値付けします。これには様々な語り口があると思いますが、私は「集団で学ぶ意義」を基に話すことが多いです。

周知の通り、学校教育において「主体的・対話的で深い学び」が目指されているように、人との対話が深い学びにつながっていきます。

「学校でみんなで学ぶ理由ってなんだけどと思う?」などと問いかけ、異なる考えに触れることで、自分の考えが変容したり、肉付けされてより強化されていったりすることを示します。

そして、これらは一人では起こらないことであり、考えを表出し合って対話をすることで実現されます。「話そう。」とすることが大事なのであり、その中で間違えることは、マイナスなことではないのだということを伝えます。

さらに言うなら、間違えた内容についてみんなで「どこが違ってしまっているのか。」「なぜ○○さんはこのように考えたのか。」「この間違えを防ぐためには何に注意すればよいのか。」「そもそもこれは間違いなのか。」ということについて議論している瞬間こそ、本当の学びと言えるということを伝えます。

つまり、本当の学びの機会を与えてくれる「間違いには感謝」すべきものだということを伝えていきます。


最後に、「とは言っても…」という感情に寄り添います。こんな話を聞いたとはいえ、すぐに行動に移せない子ももちろんいます。

そのときには、無理強いはせずに、「とは言っても、すぐには間違いが恐くはならないよね。でも、みんな同じ気持ちを共感できたから、間違いをプラスのものとして受け入れる準備はできたね。」などと話し、土台ができたことを確認します。

ここからは、周りの子どもたちも、誰かが間違いを恐れないように振る舞うことが求められ、間違える恐怖を乗り越えた子を認める態度も求められることになります。


さらにプラスアルファでタイミングを見て、教師がわざと間違えてみて、間違いを受容的に捉える言動や雰囲気が見られたら称賛したり、

手がなかなか挙がらないような場面にユーモアを交えて「(深刻そうな恐い顔つきで)ねえ、みんな…、今まで言ったことなかったんだけどさ。知ってますか?『手』ってね…、挙げていいんだよ。(笑)」などと言って、対話的な場面に緊張感が出すぎないようにしていくこともあります。


間違えを恐れず、学び会える集団になるためにこれからも伝え、工夫していきたいです。



みなさんはどのように子どもたちに伝えますか?ぜひお聞かせください^ ^

今日も心に余裕をもっていきましょう!