
第143話 アナタと藤かんなの官能小説⑤〜破滅的な男『S』の襲来
2024年12月21日。ついに計画を実行する時が来た。場所は東京・恵比寿『4/8woman写真展』。もう失うものなど何もない。俺には怖いものなんて、ない。
目的は藤かんな。彼女の写真を買い、10分間の会話をする特典を手に入れた。
「かんなさんにプレゼントがあるんです」
俺は藤色のハンカチを差し出す。
「藤の花の香りが染み込ませてあるんです」
かんなは「へえー、そうなんや」と、素直にハンカチの香りをかぐ。
そして———
彼女は気を失った。
俺はかんなを担ぎ、身体中に仕込んであった手榴弾を5つ、順にピンを抜き投げた。展示会場の地下に3つ。受付の1階に2つ。
みんな豆鉄砲を食らったような顔で、爆風にのまれていく。恵比寿の一角がまるで焼却炉のように燃え上がる。
ハハッ、ハッ、ハハハハハッ。
全て無くなれ、消え去ってしまえ! 勝者は俺だ!
すぐ近くに乗り付けてあった、軽自動車の後部座席にかんなを押し込み、エンジンをきった。北へ東へ。彼女は一向に目を覚まさない。クロロフォルムがよく効いている。
1時間半ほど車を走らせ、着いた先は、茨城県の洋館。彼女が初めてグラビアを撮った場所だ。周囲は真っ暗。人気はない。ぐったりしたままのかんなを、洋館のそばの湖畔に横たわらせる。俺はもうギンギンだ。バイアグラも大量に服用済み。準備は万端。しくじることはない。
彼女のスカートをたくし上げる。ショーツは横にずらし、俺はぶち込んだ。
———きつい。熱い。
ああ、腰が止まらない。膨らんだ胸元をわし掴む。引きちぎりたい、ズタズタにしたい、俺だけのものだ!
どれだけ乱暴にしてもかんなは起きない。ぐったりした体を転がし、あらゆる方向から彼女を犯した。穴という穴、全てにぶち込んだ。
———かんなとひとつになりたい。
ただその一心で。
そろそろ俺も限界だ。最後は顔が見たい。正常位で脇の下から彼女の肩を持ち、一心不乱に腰をふる。身体中が熱い。猛烈に血圧が上がっている。心臓が脈打ちすぎて痛い。良いんだ、良いんだ。俺にはもう失うものは何もない。
「うっっ!」
イキかけた瞬間、かんなの上に突っ伏した。
———腹上死。
本当にそんなものがあるんだな。そこまで想定はしてなかった。でもこれで良い。最後の最期に夢が叶ったのだから。
腹の下でかんなが少し痙攣したように感じた。俺の射精か、彼女を窒息させてしまったか。まあどっちでも良い。どっちも最高だ———
横たわる2人の体に柔らかな朝日が差し込む。湖に漂っていた白鳥が2羽、東の空に溶けていった。
(この話はフィクションであり、4/8woman写真展での作品購入者特典企画です)

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