100倍、身につく国語力(289) シナリオ篇
❤小~高校生と、母親向けのレッスン
(1年間で国語力の悩みが解決できる!)
<映画の活用用>
日本語教育でのシナリオの
効果的な活用法 (2)
2.日本語教材に相応しいシーン
まず、この映画の中ではどんな場面が
あるか、参考のためにそのすべてをあげ
ることにします。このようなことは映画
のシナリオがきちんと残っていない限り、
普通は実際DVDを見ながら何度も停止
をかけて紙に書き出すしかなく、セリフ
を再生するのは膨大な時間と手間がかかっ
てしまいます。幸い『お早よう』という
映画はシナリオが残っているので、スト
ーリーの場面の展開が容易に分かり、
分析する立場からだと大いに助かります。
さて、『お早よう』という映画は予想
以上に日本人の話し方や考え方が自然に
描かれている場合が多く、まさにそう
いう場面の宝庫といえます。そこで、
まずシナリオの流れに沿って各項目を
あげることにするが、これは外国人にも
わかりやすい内容を、ピックアップする
際に、それが日本語教材化に相応しいか
どうかを考える、最も基本的な方法でな
ので、この映画の一週間の出来事を列記
すると以下のようになります。
<火曜日》
(1)東京郊外、小住宅地付近の踏切、
(2)付近の土手、(3) 大久保家の路地、
(4)茶の間、(5) 玄関、(6) 勝手口、
(7)大久保家・茶の間、(8)玄関、
(9)路地、(10)原口家・台所、
(11)大久保家・玄関、(12)表の道、
(13)丸山家・居間、(14)隣の林家の
窓、(15) 林家の子供部屋、(16)茶の
間、(17)勝手口、(18)丸山家・居間、
(19)玄関、(20)表の道、(21)大久保
家・玄関、(22)遠くの居間、
(23)そのアパートの外景、(24)そこ
の廊下、(25)そこの一室(福井
姉弟の部屋)、(26)夕方・大久保
家・茶の間、(27)同刻・林家・台所、
(28)茶の間、(29)玄関
<水曜日 >
(30)翌朝、土手、(31)大久保家・
茶の間、(32)同じ朝・アパートの
遠景、(33) 同・廊下、(34)室内、
(35)同刻・原口家の台所、(36)表
の道、(37)林家・富沢家の居間)
の路地、(38)茶の間、(39)玄関、
(40)茶の間、(41) 路地、(42)表の
道、(43)原口家の路地、(44)原口
家・台所―茶の間、(45)玄関、
(46)茶の間、(47)林家の路地、
(48)表の道、(49)富沢家・玄関、
(50)原口家の路地、(51)夕刻・駅
前の小商店街、(52)同・店内、
(53)同夜・林家・茶の間、
(54)玄関、(55)茶の間、(56)子供
部屋、(57)玄関、(58)玄関、
(59)子供部屋
<木曜日>
(60)翌朝早い土手、(61)原口家
の路地、(62) 原口家・玄関、
(63)同朝・林家・茶の間、
(64)子供部屋、(65)茶の間、
(66)表の道、 (67)玄関、
(68)茶の間、(69)台所、
(70)大久保家・台所、(71)台所、
(72)大久保家・勝手口、(73)林家
と富沢家の間)の路地、(74)台所、
(75)玄関、(76)表の道、(77)富沢家・
玄関、(78)小学校1年生の教室、
(79)中学校1年生の教室、
(80)小学校1年生の教室、
(81)同夜・林家、(82)子供部屋、
(83)茶の間
<土曜日>
(84)翌々日の夕方の土手、
(85)同刻・アパート(福井姉弟
の部屋)、(86)廊下、(87)福井の
部屋、(88)同夜・小料理おでん
の「うき世」、(89)同夜・林家・
玄関、(90)富沢家・玄関、
<日曜日>
(91)翌々日の土手の遠景、
(92)丸山家の窓、(93) そこの
一室、(94)茶の間(洋風の飾り)、
(95)一室、(96)茶の間、(97)林家・
廊下の洗面所、(98)台所、
(99)茶の間、(100)子供の部屋、
(101)窓の外、(102)玄関、
(103)台所、(104)茶の間、
(105)原ッぱ、(106)夜・町の
交番、(107)同・アパートの廊下、
(109)室内、(109) 同夜・林家・
茶の間、(110)玄関
<月曜日>
(111)翌朝の土手、(112)原口家
(と大久保家の間)の路地、
(113)原口家の勝手口、(114)大久
保家・台所、(115) 路地から見た
表の道、(116)路地、(117)土手、
(118) 駅付近の情景、(119) 駅の
ホーム、(120)口家・縁側、
(121)茶の間、(122)縁側、
(123)庭先
これらの場面を見てみると、林家や
近所の家の居間、茶の間、廊下、玄関、
台所、路地などのセットの設定が圧倒
的に多いことが分かります。 小津作品
は、場面の展開が静かになされる上に、
登場人物の台詞も、ゆったりしていて、
繰り返しが多いのが特徴となっています。
❤これを日本語教材とすれば、
いいテキストになるでしょう
が、これまでそういう話は。
あまり聞かれないのが残念
でなりません。
そこで、ここでは敢えて教材
化することにチャレンジする
ことにしました。
アナミズ (2024.11.29)