100倍、身につく国語力(57)独特表現篇
❤小~高校生と,母親向けのレッスン
(1年間で国語力の悩みが解決できる!)
独特表現篇 ⑱
【独特表現の日本語の特徴】
2.日本語特有の独特表現の実態
(18) 美化語の「お」と「ご」の
使い分け
「お」と「ご」は接頭語で、美化語と称
されています。ただ、丁寧語として見な
すことはありますが、敬語とまではみな
されていません。
語頭に「お」がつくのか、「ご」が
つくのかについて、明確には言えないと
いうのが、次の例をみれば分かります。
① 「お」がつく語
見事、勘定、会計、掃除、正月、
電話、弁当、勉強、世話、大事、
中元、天気、元気、時間、食事、
葬式、大切、約束、食事、名前、
洋服、帽子、仕事、休み
② 「ご」がつく語
親切、返事、住所、説明、都合、
丁寧、意見、ゆっくり、配慮、
回復、病気、贈答、成功、確認、
返答、 誕生
③ 変則的な例
お誕生日、ご誕生、
ところで、ネットを見ると「慣用句
的な使用」や「女ことば」などが、簡単
なリストになっているのがありましたの
で、それも挙げてきましょう。
ちなみに、ある中国版の日本語教育の
教材に、「お」と「ご」の違いについて
「お/ご+名詞」というタイトルで、次
のように説明してあります。
① お+和語
お水、お花、お知らせ、
お心遣い、
② ご+漢語
ご意見、ご報告、ご家人、
ご協力
③ いずれも可
お返事/ご返事、
お通知/ご通知
④ 特例(お+漢語)
お電話、お時間、お料理、
お化粧、お食事、お名前
⑤ 特例中の特例
ごゆっくり、ごもっとも
結局、「お」と「ご」は使い方が固定
されているのもあれば、そうでないもの
もあるし、どちらでも可能という揺れも
あって、子どもには教えにくいのですが、
一つ一つ覚えていくしかないようです。
ちなみに、「お」と「ご」は美化語と
称され、文化審議会答申2007)で初めて
学校教育で扱う敬語の分類項目の一つと
して取り上げられました。
そうはいえ、この「お」と「ご」は漢字
では「御」と書き表し、さらに、これは
「オン(オオン)」や「ギョ」や「ミ」
とも発音されるので、かなり扱いにくい
言葉のようですね。
これは学校できちんと教えるところまで
はいっていないので、なかなか難しい点
があるのではないでしょうか。
❤実生活の中では、学校で教えられた
通りに使われているわけでなく、
実生活の中で覚えて行くしかない
ようです。
<参考資料>>『 みんなの 日本語辞典』
(明治書院)
アナミズ (2024.04.08)