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1990年9月29日(土)

【道:前田 法重・原田 公司・富田 剛・谷口 竜一・大塚 仁・本田 仁】
「いよいよ月曜日からやな」
 目の前のビールをグビッと開けて前田 法重がこう口にした。午後8時を過ぎた居酒屋『道』。本日も某サークルRの集会の後、いつものように集まっていつものように飲んでいる面々である。来週の月曜日からいよいよ冒険者3期の2次選抜が始まるので、前田、原田 公司、富田 剛は楽しみにしている。
「まじで頑張って全員合格してくれよ」
「俺たちを超える結果を出して欲しいっす」
 原田の言葉に富田が続ける。
「超えるってのは具体的にどういうことなんですかね」
 疑問に思ったことを谷口 竜一が口にする。富田はそれを聞いて少し動揺する。深く考えて発した言葉ではなかったからだ。
「まあ、谷口は戦士だから、戦士は基本模擬戦の連続で常にポイントが表示されてる。だいたい前田さんが3〜4位ぐらいで俺が5〜6位ぐらいだたっと思うから、ベスト3に入れば間違いなく超えたことになると思う。まあメンバーにもよるけどね」
 そう言って原田はビールを開けて、富田に視線を送る。
「大塚と本田は最初の課題が指先に光を灯すってやつなんだけど、1期2期合わせて最速で出来たのが俺で30分ぐらいだった。だから30分以内に出来れば超えたことになると思う」
 大塚 仁と本田 仁を見つめながら富田がこう説明する。
「ちなみにもし超えることができたら俺のことをとみたんと呼んでいいよ」
「別に呼びたくないですよ」
 富田の言葉に大塚と本田が同時にツッコミを入れた。

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