見出し画像

1991年2月20日(水)

【煉瓦亭:藤原 静音・多田隈 五月】
「まあそんなに真面目に考えなくても大丈夫よ」
 目の前で表情をこわばらせて座っている多田隈 五月を笑顔で見つめながら藤原 静音が声をかける。ここは煉瓦亭。多田隈から相談があると連絡を受けた藤原が一緒にランチを食べようと煉瓦亭で待ち合わせたのである。来週菊川 竜二が退所となるので、来週からは自分が伝達役となり、迷宮入り口で待機をしないといけないので、それが心配である旨を藤原に相談したのである。
「待機場は意外と広いから誰かを呼ぶこともできるし、鍛錬所も広くはないけど2〜3人であれば一緒に鍛錬もできるわ。私はいつも1人でいたけど、菊川さんはよく大石さんを呼んでたみたいよ。通常の鍛錬場ではできない他の職種の人とも一緒に鍛錬できるから考えようによっては快適かも。SOSも今まで来たことないし、心配無用よ」
 そういって藤原はマスターがもって来たランチを受け取り、マスターに微笑む。その笑顔を見て多田隈も緊張しながらも笑顔を浮かべた。

いいなと思ったら応援しよう!