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1990年5月19日(土)

【六文銭:前田 法重・川崎 志郎・原田 公司・村川 慎太郎・大石 泰造・菊川 竜二】
「たぶん亜獣が勝てないと判断したら、戦闘を回避するんだと思います」
「てことは現状戦士で最強は右田さんってことか」
 焼き鳥串に手を伸ばしながら村川 慎太郎が述べた言葉を聞いて、川崎 志郎が自分の見解を述べた。ここは居酒屋『六文銭』。土曜日ということもあり、大学生や若いリーマンたちが各所で宴会を行っており、店内は活気付いている雰囲気である。本日前田 法重と川崎、大石 泰造、菊川 竜二は朝から前田邸に集まり、麻雀を楽しんでいた。そして夕方過ぎの時間となり、夕飯がてら一杯飲もうかという話になったので、前田邸を後にする。道を移動しながらどこで飲もうか悩んでいると、たまたま同じ状況で飲む場所を探していた原田 公司と村川と遭遇し、一緒に飲むことになったのである。飲む場所は別に『道』でも良かったのであるが、今日は何となく『六文銭』で飲むことにした。さて、地下1階のカエルの彫像を動かして出現する亜獣ブッチャーは、今週の水曜日に右田 良子と戦わずに消滅したいう現象が起きている。それ以外の戦士では今の所その現象は起きておらず、理由についていろいろ推測したところ、先程村川が述べた意見が正しいと思われているのである。
「別にずっと戦ってくれてもこっちとしては便利だから良いんだけどね」
「亜獣探さずに済むもんな」
 ブッチャーのシステムについて前田が意見を述べ、それに川崎も感想を述べる。それを聞いて原田と村川は同意の表情を浮かべているが、大石と菊川はそうでもないらしい。
「ブッチャー戦って俺ら暇なんだよね」
「僧侶はともかく、魔術師は全く不要だよ」
 後衛としての意見を述べた2人に対して、戦士の4人は別に楽だから良いじゃんと心の中では思っていたが、誰も口には出さなかったのである。

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