
1991年8月19日(月)
【VIPファンタジア:福田 清人・立石 啓二・嶋本 麗華・菊川 小絵・山中 美保・上田 大地】
「いえーい、はーい!はーい!」
立石 啓二の投げたボールが10本のピンを薙ぎ倒し、嶋本 麗華、山中 美保とハイタッチをして喜びあう。ここは『VIPファンタジア』、本日鍛錬の後、集まってボウリング大会をしようということになった美しさは罪部隊であるが、形式として3対3で勝負をすることにした。立石、嶋本、山中の立石チームと福田 清人、菊川 小絵、上田 大地の福田チームとの戦いが繰り広げられている。各自の申告ではあるが、実力的に1番上手いのが立石であり、その後が福田、上田、山中、菊川、嶋本の順である。先ほど立石が投げたのは6ゲームの1頭目であり、ここまでストライク3本、スペア3つとまとめている。
「ここで離されなようにしないと」
そういって福田はボールをもって集中する。福田が投げたボールは軽い弧を描いて中心部へ向かっていく。良い感じにピンが弾けたが、ざんねんながら10ピンが1本残ってしまった。その1本を福田は2投目で軽く倒しスペアとなる。ここまでストライク2本、スペア4本で立石について行っている。
「嶋本さーん。頑張れー」
立石と山中の声援に緊張しながら嶋本がボールを持って構える。大きく息を吐いた後投げたボールはゆっくりとだが中心に向かっていき、見事に10本を倒し切る。
「やったー」
満面の笑顔で嶋本は後ろを振り返る。嶋本にとってストライクは滅多に出るものではなく、感激もひとしおだ。
「いえーい!いえーい!」
笑顔を浮かべたままでハイタッチをする。この後、試合が進み最終的には立石チームの勝利となる。ちなみに普段はあまり感情を表に出すタイプではなく、いつも物静かな感じの嶋本がストライクを出した時に見せた満面の笑顔を見て、立石だけではなく、福田と上田もときめきを感じていた。