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1990年9月1日(土)
【道:前田 法重・原田 公司・富田 剛・谷口 竜一・大塚 仁・本田 仁】
「そうっすね。多分罠解除士は気配探知と罠解除以外のスキルは増えないと思いますよ」
目の前のコップに入っているビールを飲み干した後で富田 剛がこう口にする。午後8時を回った居酒屋『道』。本日もいつものメンバーがいつもの場所でお酒を嗜んでいる。僧侶や魔術師は課題をクリアするたびに新しい課題が出されるシステムになっているようだが、罠解除士はどうなのかと前田 法重が疑問に思い、富田に尋ねたのである。
「気配探知は今後、今以上に正確さと範囲を求められると思いますし、罠解除も難易度が天井知らずみたいなところがあるので、そこを追求するのが罠解除士なのかと」
そう言って富田は大塚 仁からビールを注いでもらう。ビールを注ぎながら大塚が疑問に思ったことを尋ねる。
「罠解除ってできるできないとか以外に失敗とかってあるんですか」
「失敗?あるよ。失敗すると吹っ飛ばされる」
「吹っ飛ばされる?」
富田の言に大塚、谷口 竜一、本田 仁は驚きの表情を浮かべたが、既知である前田、原田 公司、富田は特に何もなく、ビールを口に運んでいた。