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1990年10月6日(土)
【道:前田 法重・原田 公司・富田 剛・谷口 竜一・大塚 仁・本田 仁】
「概ね順調ですね」
「俺たちもっす」
飲み会開始直後に状況を質問された谷口 竜一が返事を返し、それに大塚 仁も言葉を続けた。ここは居酒屋『道』。本日もたくさんの客で賑わっている。冒険者組織では現在第3期入隊試験が行われており、某サークルRの後輩である谷口、大塚、本田 仁も受験中である。現在2次試験5日目まで終了しているが、状況としては谷口は戦士のランキングで2位に付けており、大塚と本田は初日に課題をクリアしている状況だ。どうみても概ね順調レベルではなく、3人ともほぼ合格するのは間違いないであろう。
「あの3人の状況は知ってる?」
某サークルRの他の3人の後輩の状況について前田 法重が尋ねる。すると谷口が口を開いた。
「山村は昨日終了時点で7位、宮川は9位ですね。おそらく大丈夫だと思います。あと、広巡も2日目に課題はクリアしたらしいので行けるでしょう」
同じく3期試験を受けている広巡 聡、山村 三平太、宮川 勘太も今の状況だと合格できそうなので、これで某サークルRの1回生6名は全員が合格見込みとなっているのである。
「優秀やな。俺ら各回生1人ずつしか居らんのにな」
「原田さん。受けてないっすよ」
1回生が全員冒険者になりそうな状況について原田 公司が感想を口にし、それに富田 剛が突っ込みを入れた。某サークルRのメンバーは前田と同じ4回生が3名、原田の3回生が2名、そして富田の2回生が4名で構成されている。原田は各回生1名しか冒険者がいないと口にしたが、そもそも他のメンバーは冒険者を受験していないのである。
「まあ、たまたまだと思うっす」
こう話しながら本田はテーブルの上の空いている皿を片付けつつ、現在の状況を把握し、適切な量のアルコールとつまみを注文したのであった。