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1991年2月23日(土)

【道:前田 法重・原田 公司・富田 剛・谷口 竜一・大塚 仁・本田 仁】
「いよいよ来週で最後やな」
「何かあっという間でしたね」
 感慨深く言葉を発した前田 法重に日本酒を注ぎながら原田 公司が言葉を漏らす。ここは居酒屋『道』。本日も多くの酒飲み達が集まっている。本日も某サークルRの集会に参加し、各々予定を済ませた後で集まってきたのである。来週2月28日をもって卒業して冒険者を退所するものは業務終了となる。黒髪てへろく部隊の大石 泰三・菊川 竜二、王家の紋章部隊の川口 耕輔、今週のスポットライト部隊の黒下 了、スター千一夜部隊の鈴木 圭介・林 真一郎、私をスキーに連れてって部隊の小林 みゆき・伊達 美樹・千場 恵梨の9名が退所するのだ。
「大石や菊川は大学入ってからの付き合いだからな。何か寂しいな」
「俺と富田も約1年一緒に冒険してましたから、何かいなくなる実感が湧かないです」
 前田の言葉に原田も感想を述べ、富田 剛も大きく頷く。
「でも4回生が全員いなくなるとかじゃなくて良かったです。特に戦士は」
 谷口 竜一が軽く笑みを浮かべながらこのように話す。現在の戦士の序列は村川 慎太郎、右田 良子、前田 法司、川崎 志郎、原田 公司がトップ5だと言われている。この中で右田と前田と川崎が4回生になるので、全員卒業と共に退所すると、トップ5の内の3人がいなくなることになる。特に後輩の育成等を考えると、川崎が残るのは戦士にとって非常に影響が大きい。
「魔術師は菊川さん抜けるのは結構大きいです。魔術師の業務的なものは菊川さんと藤原さんの2人でほとんどやってもらってましたからね」
 大塚 仁からビールを注いでもらいながら本田 仁が魔術師の状況について述べる。
「何か僧侶も大石さん抜けたら結構困りそうだけどね。罠解除士はどうなん。富田」
「罠解除士はなんてことないですよ。1期はちびっ子ばかりなので4人残るので。まあ俺も大塚もいますしね」
 原田の質問に富田はこう答えて、ビールを一気に飲み干した。

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