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【手放しには褒められない】先輩はおとこのこ あめのち晴れ ネタバレ感想【ぱいのこ映画】

この日のために生きてきた。

そう断言しても構わないくらい楽しみにしていた、ぱいのこ劇場版。
遂にこの日がやって来ました。

あんまりにもワクワクしていたので、パンフレットを買い、咲ちゃんのアクリルスタンドも買い、勢い余って特製ドリンク(色の付いたカルピス)まで購入してしまいました。

そしてソワソワしながら、いの一番に入場し、上映を待ちます。
着いてくんな、遊びじゃねぇんだ(毛利小五郎)



蒼井咲という劇薬

蒼井咲ちゃんって、可愛すぎる!

今作は彼女のための物語。
半年振りに見る彼女は、僕にはより一層輝いて見えました。

人間って光るんだ。


エロだろ、これは。


グワ〜ッ!

ただ前半はブヒブヒしていられるものの、中盤以降彼女の家庭環境の悲惨さと、そこで長年にわたり育まれた孤独が観客の心に襲いかかって来ます。
前半は萌豚として顔が歪んでいたはずなのに、後半は胸の痛さから顔を歪める羽目になりました。

父は自分の研究が最優先、母は我が身可愛さに離婚し家出。
自分を優先してくれるのは祖母しかおらず、愛情に飢え、心に孤独を抱えている。
だから自分を第一に優先し、自分だけを見てくれる「特別」な何かを求めている。

本作『先輩はおとこのこ』の特徴として、思わず共感してしまうようなあまりにリアリティのある心理描写が挙げられます。
だから彼女の不幸な境遇や葛藤が、余すことなく伝わってくるんですよね…

この胸が締め付けられるような切なさは、この作品でしか味わえない極上の体験です。
映画になってもその点は一切変わりませんでした。

ところで、親の再婚というのは創作の鉄板テーマだと思います。
最近では義妹生活とかありました。

そういうフィクションにおいて主人公はあっさりと親の再婚を受け入れるし、視聴者がそこに対して疑問を持つことはありません。
でも本来親の再婚ってこれほどショッキングな出来事なのかもしれないと思いました。

いや別に恋人ってだけで再婚はしていませんが。
でもそういうのって、子供を最優先にはしていないという何よりの証拠じゃないですか。

咲ちゃんのことを大切には思っていても、最優先ではない。
娘よりも鯨や今の恋人と過ごしている時間の方が遥かに長い。

親が自分を優先してくれないというのは、子供にとってどれだけ寂しいことなのだろうか。
そう思いました。

咲ちゃんは誰かを傷つけたくない一心で周囲に善意を振り撒いているのに、こんな目に遭わされたり、「自分がなくて気味が悪い」などと陰口を叩かれたりしていて、そのあまりに酷い仕打ちは見るに堪えませんでした。

人を思いやって動いているのに、どんどんドツボにハマっていきます。

でもそういうドン底の状況を救ってくれるのもまた人の善意であり、友情なんだよなぁ……
最近放送室ジャックするの流行ってるんでしょうか。

この友情も最初は席が近かったとか、そういう些細な理由だったのかもしれませんが、今はもう本物で特別なんだと思いました。


咲ちゃんは幸せ?


大我竜二という光

竜二の出番、すくね〜〜〜!

それだけで何だか物足りなさを感じたほどです。

俺がぱいのこにグッとハマったきっかけは大我竜二くんの一途さ、気遣い、思いやり、そしてそれだけ良い男なのに色んな不幸が降りかかる不憫さに大きく心を揺さぶられてしまったことです。

全部まこと先輩のためで、彼のことを一切否定せず、竜二本人の要領が悪いわけでもないのにドンドンどうしようもない状況に陥っていく。
そんな彼の境遇に同情し、見ていられないほどの激情に駆られ、悶えていました。

まこと先輩は竜二に「お互い幸せになろう」と表明しますが、どう考えても竜二が1番幸せそうだったのはまこと先輩と付き合っていた時で、なんて酷なことを言うんだと思いました。
でも竜二はどんな状況でも「まこと先輩の幸せ」を最優先に考えていて、そんな彼の思いやりに心を打たれるばかりでした。

「背中は押さない」と明言した通り、何か直接的な行動を起こす訳ではないのですが、竜二はまこと先輩に何かあった時も、咲ちゃんが泣いている時もただ側にいてあげていて。
こんなに格好良い男は中々お目にかかれません。

彼があくまで、まこと先輩と咲ちゃんを見守る保護者、傍観者に徹していたことが、俺が本作にどこか消化不良を感じた原因なのだと思います。

「俺は俺でちゃんと幸せになるし、お前もそうしろよ」

お前それ絶対まこと先輩を安心させるために言った出まかせだろ!!!!
電車内での反応を見る限り、それなりに未練ありそうだったし……

というか、竜二が底抜けなお人好しでなければこんなスッキリ終わることもなかったよな?

竜二、報われてくれ……


まこと先輩の強さ

今作においては彼の成長を目にする場面が多かったように思います。

母との関係も改善され、好きなものを好きだと言えるようになり、祖父という理解者及び目標も手に入れた。

咲ちゃんに告白を断られた場面、以前までのまこと先輩であればああも強かに返答できなかっただろうし、昔告白された藤井くんと同じクラスになって、そこでああもぞんざいに扱われても、これまで通りのまこと先輩だったら、「自分らしさ」を声高に主張することもできなかったでしょう。

俺は告白の場面では「今じゃない!今じゃない!」ってクラコンOPの桜森朱音ちゃんくらい首を振っていたし、因縁の相手である藤井くんと同じクラスになった時は思わず顔を覆ってしまったのに。

まこと先輩は、そんな心配を杞憂に終わらせるほど成長していました。

ただ若干物足りなさを感じたというか、後日談を見ているような感覚を味わったのは確かです。
これが子供が巣立つ寂しさってやつなんでしょうか。


エロ漫画からの刺客、本郷という男

こいつだけ世界観が違うだろ

明らかに1人で住むには大きい部屋。
平日、学校終わりに咲ちゃんを迎えに来られる母親の謎スケジュール。

既に不穏な気配は漂っていましたが、玄関から足音が聞こえた時、嫌な予感がしました。

そこで現れたのがこちらの本郷さん。

熊のような風貌のエロ漫画の竿役にしか見えない彼が現れた時は、ガツンとハンマーで頭を殴られたような衝撃を受け、あまりのショックに思わず両手で顔を覆ってしまいました。
そのダサいヒゲ剃れよ

その後の一貫して咲ちゃんの顔を映さない演出には心が痛みました。
見るに忍びない……

間違いなく今作で1番辛かった場面です。

これは余談ですが、声優としての宮田俊哉さんに良いイメージなかったというか、ぶっちゃけあんまり上手いと思ったことなかったんですが、初めて声がベストマッチしてるなと思いました。
そこだけは、ちょっと面白かったです。

それ以外は全く笑えませんでした。


Project No.9という会社

案の定デフォルメ絵が鬼のように使われていて少し笑ってしまいました。

ただ別にこの事実自体は、そういう演出であると自分の中で納得できているし、むしろこういう表現が本作のコミカルな一面に寄与していることは理解しているので、批判したいといった意図は一切ありません。

ホホw

でも度々挿入される紙芝居パートに関しては、もうちょっと何とかならなかったのかと思いました。

折角の劇場版で、半年も心待ちにさせておいて(もう半年も経つのか…)、劇場でピクチャードラマを見せられる事実には少し寂しさや物足りなさを感じました。

一枚絵で持たせる場面も多かった。

ぱいのこは質感や構図、キャラクターやシナリオで魅せる作品だから、別に動きの必要な作品ではないと思います。

ただもうちょいメリハリ付けても良いんじゃないか?とは思いましたよね。

蒼井父が咲ちゃんに元妻の姿を重ね、彼女に一緒に暮らすことを提案する場面、駆け出した2人の動きが止まりコマ送りくらいの速度で動き出した時は、頭の上に疑問符が浮かび上がりました。

これが貼りたかっただけ

刻が見える(ニュータイプ)

自分はアニメーションの素人ですから、なんかこういうのってプロの領域を侵犯しているようで気が引けますが、事前にある程度の動きを描写しておくからこそ、その後時が止まったと感じるほどの衝撃を受けた、という場面にインパクトが出るものなのではないでしょうか。

というか、明らかにTV版より作画動かなくなってたよな?

ぱいのこが名作であるという事実も、Project No.9の最高傑作であるという共通認識も揺るぎませんが……

やっぱりProject No.9は、Project No.9なんだなって思いました。


蒼井夫妻は毒親なのか

“あめのち晴れ”1番の争点は間違いなくここでしょう。
俺もここに関しては言いたいことが山ほどあります。


俺に家族観を語る資格があるのか

まず大前提として、蒼井さんの両親はどうしようもない人物だと思います。
それはまあ、間違いない。

しかし俺は人の親になったことがなく、なる見込みもなく、一方の目線しか持っていない。
そんな俺に彼らを批判する資格はあるのでしょうか。

少なくとも、俺はないと思います。
だってフェアじゃないから。

それでも言いたいことはある。
その矛盾を念頭において読んで欲しいです。


蒼井夫妻は利己的すぎる

『先輩はおとこのこ』の登場人物は全員が自分の良心、善意に従って動いているというの見解は今作『あめのち晴れ』を見た後でも変わっていません。

しかし一方で、“善意”というのは必ずしも他人に向けられるものではないのだと思いました。
言うなれば、自己満足のための善意というか。

例えば、TVアニメで描かれた竜二の善意は、自分のためでなく誰かを気遣う思いやりの心が多量に含まれていたと思います。
だからまこと先輩のことを想って竜二は身を引いた訳です。

しかし、蒼井夫妻は徹頭徹尾自分の都合でこちらに提案を持ちかけてきます。

蒼井父は失った自分の妻の姿を娘に重ねて彼女に同居を提案するし、蒼井母は自分の罪悪感を埋め合わせたい、あるいは彼女と一緒に“自分が”暮らしたいという極めて身勝手な考えで行動しています。

どちらも自分の気持ちを最優先しており、娘がその提案をどう思うか、どう感じるかという点にまで意識が回っていない。
彼らは「親としての責任」よりも「個人の欲求」を優先している。

この2人が上手くいかなかったのは当然だと思います。
なぜなら彼らには人に合わせて行動するという概念が欠如しているからです。

蒼井父は家族が倒れても鯨の研究という自分の夢を優先するし(申し訳なさそうにはするが)、蒼井母は「自分が馴染めない」という理由で離婚を決意し、実の娘を置いて家を出て行ってしまいます。
あまりに自己中心的。

そしてこの“配慮”という概念は自覚のない人間には永遠に獲得できない概念です。

俺もしっかりモンスター側の人間なので、あまりデカい口は叩けませんが、少なくとも自分がそういう人間であると自認くらいはしています。

蒼井夫妻はもう人生も折り返し地点を迎えているというのに、その辺りの感覚が欠落しているのが本当に恐ろしかった。

彼らは一生このままなんだと思いました。

ここまで育児放棄をしておきながら、「咲がしたいようにしていいよ」と配慮に見せかけた決断の丸投げ(責任転嫁)をしてくるのもグロかった。


親は自分のためには生きられない

蒼井父の姿勢には問題を感じました。
彼は自他の境界が曖昧で、自分の好きなものは他人も好きだと信じて疑わないし、しかも自分のことばかりで他人の変化に興味がない。

咲ちゃんの「鯨が好き」という言葉を永遠に変わらないものとして扱う点にそれが現れています。

娘のことは大切に思っていても、それは「自分の中にある過去の咲」に対してのものであって、今の彼女自身には関心がない。
咲の反応を「大人びている」の一言で片付けて、人間は変わりゆくものだという感覚がない。

彼の中での娘は幼少期のまま止まっている。
育児放棄の成れの果て。

共感性や責任感の抜け落ちた彼の姿には恐怖を感じたし、なのに彼は一部人間性を残している。
これが所謂マイルドサイコパスと言うやつなのだと思いました。

彼は表面上は娘を心配する良い父親でした。
何も知らない人が見れば、娘思いにしか見えない。

しかも研究者としては頗る有能で、エネルギーに満ち溢れ、人当たりも良い。
アカデミアにおいては非常に優秀な人物として分類されるのだと思いました。

しかし実態を目にした時、子育ての甘い汁だけを吸うその姿は、まるで親には見えませんでした。
別に上流階級という訳でもないのに。

父親としての優秀さと研究者としての優秀さは必ずしも同居する訳ではないのだと、そう思いました。

ただ、気に食わない発言をしたからと暴力的な行動には出たり、首を縦に振るまで何時間も食卓に座らせるといった、動物的染みた屈服のさせ方がないのだけは救いでした。

しかし、この手のバグった家族観の人間が、片親でない家庭から出現した事実に、自分はかつてない衝撃を受けました。
無邪気な善意が恐ろしかった。


蒼井母もまた問題の多い人物でした。

男の言いなりで、優柔不断。
自分の意見を主張することはできず、自身の中で結論は出ているのに、誰かに背中を押してもらうまでは行動できない。

責任感なんてないくせに、そのくせ自我だけは強いから、逃げ足だけは早い。
だから実の娘を置いて家を出て行くなんて耳を疑う行動を取るわけで、本当にタチが悪い。

勝手に被害妄想を拗らせ、疎外感を感じるその姿はまるで子供のようでした。

1番終わっているのは、「娘ともう一度暮らしたい」と言っておきながら実の娘と今の男を天秤にかけ、娘を選べないこと。

本当に彼女と暮らしたいのであれば、娘の気持ちを慮っているのであれば、どちらを選ぶべきかは明白です。

しかしながら彼女は、「暮らしていく上で男手が必要だから」とここでも他責を始める。
まず言い訳から始める辺りに彼女の人格や卑怯さを感じました。

そして彼女にとっては、そのどちらも“特別”らしい。
ここで僕は、彼女は母になりきれない「女」なのだと思いました。

母の男を見てショックを受ける咲ちゃんの姿を見て、人間は人の親になった段階で、ある程度自分のやりたいことを捨てる必要があるのだと思いました。
親は自分のためだけには生きられない。

そしてそれに関しては、まこと先輩も他人事ではないと思いました。
まこと先輩は「可愛いものが好き」なだけであって、同性愛者であるというわけではありません。

きっといつか子供が生まれて、親になる日がやってくることでしょう。

その時、運動会はどうするのか。
その長い髪で走るのでしょうか。

授業参観の時はどうするのか。
彼の子供が同級生やその親からどう言う風に見られるのか想像すると、自分のことように心配してしまいます。

まこと先輩が自分を貫く限り、お子さんの道の先には艱難辛苦が待ち受けていることでしょう。

じゃあ子供が嫌がった時、どうするのか。
もし表面上は受け入れ笑顔を浮かべていても、心の中では咲ちゃんのように孤独や不平不満を感じているかもしれない。

自分の好きを優先すれば、再び自分の母親や咲ちゃんのような子供を生み出すことになりかねません。
子供のやりたいことを親が受け入れるのと、親のやりたいことを子供に押し付けるのとでは、まるで罪の重さが違う。

親になれば、自分を妥協し、子供を優先する必要が出てきます。
どれだけ仕事で疲れていても子供が夜泣きをすればあやさなければならないだろうし、幼い子供が熱を出せば急遽会社を休んで病院に連れて行かなければならないでしょう。

眠たくても眠れないこともあるだろうし、ご飯を好きな時間に好き勝手食べるなんてできないだろうし、パートナーに不満があっても子供を大切に思っているのなら別れられない。

だから、子供のためを思うのなら、やっぱり親は自分のためだけには生きられないのだと思いました。

でもまこと先輩がようやくハッキリ主張できるようになった「好き」を否定するのも絶対に違うし、難しい……


おばあちゃんは作中唯一の良心とは言い切れない

ここまで偉そうになんだかんだと言ってきましたが、子育ては簡単ではないし一筋縄ではいかないものだと思います。

親が必ず理想的な育て方をできるとも限らず、加えて24時間365日休みなく育児を続けるのには限界があるでしょうし、時には周囲の人間の助力が必要になる瞬間が訪れるのだと思います。
僕は全然独身なんですけど

でもその力添えが必ずしも良い結果をもたらすとは限りません。

本作における蒼井咲ちゃんの苦しみを考えると、僕は両親だけでなく祖母の行動にも問題があったのではないかと思うんです。

繰り返しますが、もちろん蒼井夫妻が“毒親”と呼ばれる部類の人間であることは明白です。
彼らがネグレクトをしていることに疑念の余地はなく、それが咲ちゃんにとって厳しく過酷な環境を作り出してしまったことは間違いありません。

しかしその状況を作り出す一端を、おばあちゃんも担っていたのではないでしょうか。

作中において、おばあちゃんは咲ちゃんにとって唯一の理解者であり、彼女を守る存在として描かれています。

けれども母親から「育児」というかけがえのない体験を奪ってしまったことが事態を悪化させ、現在の状況を生んでしまった可能性がある、というのは僕の考えすぎでしょうか。

夫が遠方に単身赴任、しかも当人は子育てに殆ど関心がない。

そんな時母親が割りを食い、育児に苦しむのは想像に難くありません。
支えがなければ孤独を感じ、精神的に追い詰められることもあるでしょう。
僕は独身なので全然エアプなんですけど

その点で言えば、おばあちゃんの育児への介入は善意から行われたものだったのかもしれません(作中でその辺りの経緯はオミットされているので詳しいことは分かりませんが)。

しかし結果として蒼井母は子供と距離を縮める機会を失い、疎外感を感じ、家庭内の関係が更に歪んでしまいました。

おばあちゃんの育児補助は確かに好意から始まったものなのかもしれませんが、母親から子育てという無二の経験を奪わなければ、ここまでの事態を招くことはなかったのだと思います。

よって、咲ちゃんが苦しんだのは蒼井夫妻だけが原因ではなく、おばあちゃんの関わり方にも一因があったのではないか。
おばあちゃんに非がないとは言い切れないのではないか。
というのが僕の考えです。

嫁姑問題が離婚の原因の一つであったのは間違いありません。

付け加えるのであれば、おばあちゃんが蒼井父という飛び抜けのモンスターを育て上げたことを鑑みると、彼女の育児が必ずしも正しいものであるとは言えないし、その影響が巡り巡って今の状況を作り出したとも言えるので、そういう意味でもおばあちゃんには過ちがあると言えるのかもしれません。

子供の自我を矯正できなかったのが親の責任だなんて、親というものに夢を見過ぎだとは思いますが。

戦犯

まあ親父が家庭のこと放り出して自分の好きなことばっかやってんのが1番の問題なんですけどね。

血の繋がりがあるから子供の横暴をなんとか許せるのであって、肉親ですらない嫁姑が夫抜きで仲良くできる訳ないんだよなぁ……(いても無理です)

でも彼は「父親」としては失格でも、同僚として見ると頼りになるし、研究者としては非常に優秀だし、何歳になっても夢を追いかけているという点では輝いても見える。

あくまで人の親として不合格ってだけで、彼自身に価値を感じている人はきっとたくさんいます。

だから100%の善人なんて存在しなくて、人間ってどこか一面だけを切り取って評価して良い存在ではないのだと思いました。


特典漫画の竜二で絶叫

特典漫画の大我竜二さんがあざとすぎる!!!!!!!!!

彼に脳を焼かれた皆さんは是非1周目の特典を貰いに行くべきだと思います。
飛ぶぞ

それから僕は原作未読なので、まこと先輩がクッキー作るの苦手なのは結構意外でした。
女子力(変な意味ではない)高そうなのに。

まあアニメオタク及びぱいのこが大好きな皆さんは、当然既に劇場に駆け込んでいることとは思いますし、既に読了済みだとは思いますが……

もしまだ読んでないのならこの記事を閉じて今すぐに読んできてください。

竜二……


竜二〜〜〜!!!!!


終わりに

総じて視聴体験としては清々しくはなく、あめのち晴れと銘打つには雨要素が多すぎて手放しに絶賛するタイプの作品ではないと思いました。
劇場で瞳に涙を滲ませていた人間の言葉だとは思えません

すげぇ面白かったな〜!」というよりも、見ているとなんか色々と考えさせられてしまうというか。

誰かに見て欲しいと喧伝するよりも、自分の中で咀嚼し大切にしまっておきたい。そんな気持ちにさせられる作品でした。
それじゃダメなんですけど

あと竜二の出番がもっと欲しかった。
そういう誰かのことを考え、一歩引いた場所から助言ができるのは彼の美点ですが、彼目当てで見に行った身としては少々物足りなさを感じました。

竜二、幸せになれ……

ぱいのこ、メチャクチャ良い作品でした。

出会い編もあるらしいし、また見たいなぁ……

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