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「敢えて騙されてみよう、という騙され方もある」とお前は言った、腐れキンタマ帝国の没落、

十一月二六日

スターリンは、作家は魂の技術者だと言いました。読者がもとめるものをうまく言いあらわしているではありませんか。決して単なる文章の技術者ではなく、魂の技術者でなければならないのです。小説の技術とは、魂の技術であり、書き方というものも、その魂の技術の内容として考えなければなりません。

『安部公房全作品13』猛獣の心に計算機の手を(新潮社)

午後十二時三九分。ミックスナッツ、紅茶。起こされたけどわりと気分はいい。気分がよければこわいものなどない。気分のよさこそ最も得難いものなのだ。さっきから中学生のころに歌った合唱曲「大空賛歌」が頭を離れない。このある音楽が頭を離れないことがやたら多い気がする。ずっと再生されてるからね。ときどき苦痛に感じる。きのうは午後四時に文圃閣。宇宙人との交信ジジイは来なかった。なぜか心配になる。スーザン・マイノット『欲望』、中江兆民『三酔人経綸問答』、山折哲雄『日本仏教思想論序説』、埴谷雄高/小川国夫『隠された無限』、アルベール・カミュ『反抗の論理』『太陽の讃歌』『反抗的人間』、『AESOP’S FABLES』、大輪盛登『グーテンベルクの鬚』、M・フーコー他『自己のテクノロジー』、橋本治『絶滅女類図鑑』の十一冊。しめて1870円。帰宅後、麻婆豆腐を食って、斎藤元彦や三菱UFJ銀行行員窃盗事案関連の情報を集めて、石引温泉へ。約七時半から約十一時半まで湯に浸かる。洗い場の鏡まえで不精髭のある自分のツラを見ながら、「俺は眼鏡をかけないほうがいい顔だ、この男になら抱かれてもいいな」とちょっと惚れそうになった。毎度のことながら羚羊のような若者は少なく片足棺桶の老人とヒキガエル体型の中年が半分以上を占めていた。アメリカ人っぽい二人組の観光客が露天風呂で見た。あんなほとんど地元民しか来ないような小汚なくて怪しい建物を見つけて入るなんてなかなかのアドベンチャラ―だ。まあグーグルマップみたいなものに教えられながら来たんだろうけど。いずれにせよ旅行者はこうでなくちゃいけない。兼六園なんてクソつまらないからね。観光客なんてアホばっかだと思ってたけどなかには酔狂なのもいるみたい。次は文圃閣で他所にはない妖気を味わってもらいたい。立花孝志のこともさいきん頭を離れなくなったんだ。いずれ彼についても研究する必要がある。なんであれ「熱狂的支持」という言葉は俺はあまり使いたくない。「正確さ」を欠く気がする。自分の気に入らない候補者に投票した人びとを「騙されている」と馬鹿にするのも嫌だ。「それなり」に考えた末の行動なのかもしれないし、騙され方にも色んなレイヤーがあるからだ。レイヤーの使い方これで合ってる? いっかい使ってみたかったの。なんか意識高めのビジネスパーソンっぽいでしょ。たとえば「みんな俺に投票すれば手取りを二倍にするぜ」とかいう候補者の言葉をまともに信じている有権者などたぶんほとんどいない。その言葉をそのまんま信じてそいつに投票して当選させてあとで「嘘つき!」と怒り狂う人だけが「本当に騙されている」のだ。たいていの騙され方はもう少し回りくどい。「俺はこいつが大嫌いで言ってることなんか一ミリも信じてないけど〈民主主義の限界〉を浮き彫りにさせるためにも、あるいは世の岩盤規制に対して突破口を開くためにも、鼻をつまんで敢えてこいつに票を投じて政治を混乱させてやるんだ」といかいうそんな騙され方も中にはあるんだ。とくに「反大衆的」な(自称)知識人なんかはこういう「俯瞰的にものを考えている」ふりをしたがるのでわりと簡単に騙されてくれる。何かと「加速主義を進めろ」とか言いたがる人たちもね。昨日も言ったけど世の中のたいていの人間は「自分の賢さ」だけはあまり疑っていない。これからの立候補はこういうインテリ気取りのバカ票を無視しては当選できない(たぶん)。そろそろご飯を炊く。雲古がまだ出ない。立川雲黒斎。孤立無援の賛歌。セナ様に抱かれたい。世界の中心で「i」を叫ぶ。ちょっと体を伸ばしたい。デュークズウォーキングしてくる。

町山智浩『知ってても偉くないUSA語録』(文藝春秋)を読む。
「週刊文春」の連載を単行本化したもの。ぜんぶオバマ政権時代のもの。僕は町山先生のコラムが大好き。こんなにコラムを書くのが上手な人はそういない。小田嶋コラムも好きだけど町山コラムはもっと好き。この人のコラムを読んでしまうと「コラムニストになろう」なんてまず思えない(読まなくても思わないんだけど)。まず見つけてくるネタがべらぼうに面白いし、その味付けも抜群。町山コラムを通じて形成されたアメリカ像がそうとうクレイジーな方向に偏ってしまうのは仕方がない。男が女の前でドヤ顔で講釈を垂れることを指す「マンスプレイニング」も紹介されている。いまどき「女はモノを知らない」ということを前提に女と喋る男なんかほとんどいないと信じたい。いまに「男はモノを知らない」ということを前提に男と喋る女が出てくるかも。そういえばさっき隣の金借りジジイと会ったけど、いま食料品の値段が上がっていることさえろくに知らなかった。新聞取ってるならそのくらい知っとけ。まあこのジジイは買い物もしないので例外かもしれんけど。無知を恥ずかしいと思えなくなったら人間終わりだね。ヒゲについてのコラムに出てきたロアルド・ダールの児童小説『アッホ夫婦』が読みたくなった。ところで町山先生のツイッターが園子温よりも松本人志に厳しいように見えるのはどうしてか。そろそろ親子丼と納豆食って図書館に行く。あ、きょうは三時半に入らないといけないんだった。もう無理かも。というかぜったい無理。明日でいいか。明日にのばせることは今日するな、と藤子不二雄A先生も言ってた。慌てても何一ついいことはない。慌てることなんか下男下女に任せておけ。お前の父ちゃんビルゲイツ。悲しみのドリルチンポ。真昼の天体観測。

【備忘】新元号、セナ(瀬那)元年(2011年)、今年は瀬那十四年、セナ様誕生日は休日、来年ILLAYのチケット、ジジイ11000円、

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