炎上と身体刑:『監獄の誕生』から

以下は『監獄の誕生』からヒントを得たいくつかの考察。
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・身体刑の消滅:「見世物」の消滅
18世紀末、19世紀初頭には身体刑は消滅した。それは「処罰の見世物の消滅」である(監獄の誕生p.13)。1700年頃にはあったものが、数十年のうちに消滅したようだ。ただし一気になくなったのではなく、国によってスピードの差はあったようだ。
 とはいえ、それ以降の犯罪司法のなかにも身体刑の基盤は残っている。19世紀初頭頃には、もはや刑罰は、苦痛を与えることではなく、財産もしくは権利の剥奪、自由の剥奪を対象としたものになったが、自由の剥奪にはどうしても、「食事の制限・性的交渉の禁止・殴打・独房などの、身体じたいに関与する、ある種類の補足的な刑罰をともなう」。「したがって犯罪司法の近代的機構のなかには、《身体刑本位の》基盤が残っている」p.21

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