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300字小説『Blue Rose Garden』

目の前に広がるのは、念願の景色。
所せましと咲く青い薔薇。
なんて気高くて美しい。
しゃがんで土に触れる。
温かい。
「やっぱり貴方は、凄い色を持ってたのね」
甘ったるい香り。
首筋の温もりを思い出す。
大丈夫。私は何処へも行かない。
「あら、青い薔薇なんて珍しい。あなたが手入れを?」
「ええ。やっと咲いてくれたんです」
「そう。素敵ねぇ。なんて芳醇な香りなんでしょう」
ほら。このご婦人も貴方の色香にうっとりしてる。
「そうだ」
とびきり美しいのを一本、鋏で切る。
「良かったら」
「まぁ嬉しい。ありがとう」
ねえ、見える?
貴方は見ず知らずの人も幸せに出来るのよ。
大丈夫。私は此処にいる。

ずっとずっと、永遠に。

貴方は私だけのもの。


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