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200字小説『空を蹴散らせ、蹴散らせ空を』

空が狭くなってきている。
洗濯物が乾かない。
誰にお願いすれば…。
「太陽に土下座すればいい」
すぐ傍で声がした。
「誰」
「さあね」
夜が深い。
太陽が現れるまで待てない。
「切るわ」
ハサミを空に突き刺して、そのまま切り刻んだ。
「すぐに塞がるぞ」
「いい。太陽。空を返して」
土下座なんて、いくらでもしてやるわ。
それくらいで崩れるようなプライドなんて。
最初から持ち合わせてない。

空が明るくなってきた。

乾いたタオル。
太陽の匂い。






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