引越しはするべきでなかった
若い頃はチャレンジでネット環境があればどこでも行ける!
でも、今暮らしている家、家の間取り、同線、環境、近所の人、その価値は認知症の患者さんにとって守ったほうがいいものと思ってます。
高齢お一人暮らしの80台お爺さんです。
若い頃は働いてはいるものの、家にはあまりお金を入れず、子どもとも関わってくれる父親ではなかったそうです。わがままで家族にはよく思われてはいませんでした。
奥さんは亡くなって、子ども達は家を出て行きました。
でも、そんな親でも子どもは時々は様子を見に行って食糧を置いてきたり、部屋を片付けてあげたりしていました。
徘徊はしないものの認知症は中等症で、トイレ、無洗米を炊く、冷蔵庫のおかずは何とか手づかみで食べ、あとは煎餅布団にくるまりテレビも見ずラジオも聞かないでじっとして生活していました。
ある日、団地の回収工事と引越しが決まりました。まだ歩けます、トイレも行けます、ご飯もなんとか食べます。なので、要介護3以上が申し込める特別養護老人ホームにはいけません。
今の団地は取り壊しなので引っ越すしかない。
認知症の患者さんはある程度習慣化したことはできます。
手続き記憶といいます。自転車のこぎ方を忘れない、施設でピアノを弾く認知症の方もいます。そんな感じです。
引越し後、新しい新居はトイレも台所も全てが分かりませんでした。環境が変わったからです。いつもの場所にトイレがない、冷蔵庫がない、何かはあるが炊飯器とはわからない。。
発見された時は大変なことになっていて、尿で滑り転んで、怪我だらけだったそうです。
もし、ご家族が一緒だとしても認知症の方にとって環境の変化はとても大きいです。リスクなんですね。
人間って習慣化された生き物なんだと痛感しました。変化も大事だけど、そっとしておくことも大切なんだなぁと思っています。